毎日毎日殺人的な暑さです。
私のスマホは7月から毎日ずっと、「熱中症の危険あり 運動は原則中止」という防災速報が届きます。
先日、「ホットハウス・アース」のお話をしました。
そんな危機に陥っている人類ですが、なんとすごい計画を練っていたのです!
それは「地球日傘計画!」←私が今付けた
成層圏ベールの意味
そもそも成層圏とは何でしょう?
成層圏とは、地表と宇宙空間の間にあるいくつもある層の一つで、気温がほぼ一定した大気層の事です。
高度は11~50kmで、太陽からの有害な光線を遮断してくれるオゾン層も成層圏の中にあります。
ベールは、ウエディングベールなどのベールです。
内側の物を覆う、薄い布などのことですね。
つまり、成層圏ベールとは、「成層圏で有害な光線から地球を覆って守る」ということです。
具体的には、「人工的にエアゾル(煙霧質)を撒き、成層圏で定着させて薄い膜を作り、地球に到達する太陽光を減らす」という壮大な計画です。
すごいと思いませんか?
先日ホットハウス・アースという地球の危機をお伝えしましたが、この計画であっさり解決するかもしれませんね。
デメリット!成層圏ベールで作物被害!?
実は以前からこの成層圏ベールの構想はあったそうです。
太陽からの過剰な光線を減らすと、作物の熱ストレスを低減できるので、作物の収量が増加するという考えがありました。
しかしこの度、英学術誌「ネイチャー」に成層圏ベールについての論文が掲載されました。
研究したのは、カリフォルニア大学バークレー校の農業・資源経済学部で博士課程のジョナサン・プロクター氏達です。
プロクター氏達は、1979年から2009年までの期間、105カ国を対象に、エアロゾル濃度、日照データ、および作物収量の記録を調べました。
対象作物は、イネ・ダイズ・コムギ・トウモロコシの4種類。
これら作物の収穫に悪影響を及ぼす可能性を明らかにしました。
また、成層圏ベールの寒冷化によってもたらされる作物収穫量の好影響が、太陽光の減少による作物収穫量の減少によってほぼ相殺されてしまうとも明らかにしました。
そのため、成層圏ベールによって地球の農業と食料確保を目的とした試みは失敗に終わるだろうと結論付けました。
元々、世界的な作物収穫量増加を狙う構想だったんですね。
オゾン層の役割を人工的に作るのかと思っていたので、私としてはちょっと当てが外れたような…?
ですが食糧危機が本格的に危ぶまれている中、重要な問題ですね。
しかしプロクター氏は「農業に関しては上手くいかないかもしれないが、経済の他の分野には恩恵をもたらす可能性がある」と述べています。
私もそう思いますね。
有害な紫外線が少しは緩和してくれるんじゃないかなーって期待しています。
地球温暖化も和らぐのでは?
火山噴火から着想
成層圏ベールは火山が大規模に噴火した時に、気温が低下したことに着想を得た構想です。
火山の大噴火は、大量の火山灰・二酸化硫黄などの化合物が大気中に吹き上げられます。
それが成層圏まで達し、そのエアゾルは強風に載って地球全体に拡散し、日傘のように太陽光を反射します。
今回研究チームは、1982年のメキシコのエルチチョン火山噴火と、1991年のフィリピンのピナトゥボ山噴火の影響を調査しました。
ピナトゥボ山噴火の時には、二酸化硫黄2000万トンが大気中に入り、太陽光を2.5%低減しました。
それによって地球全体の平均気温は、約0.5度下がりました。
浅間山噴火とフランス革命
「浅間山噴火がフランス革命を起こした」と言われているのをご存知でしょうか?
日本とフランス、そのころ交流もありませんでしたし、一見何にも関係が無いようですよね。
1783年、群馬の浅間山で大噴火が起こりました。
浅間山だけでなく、同年遠く離れたアイスランドのラキ山も大噴火を起こしました。
この二つの火山噴火で量の火山灰やガスが太陽の光を遮り、世界的な寒冷化・不作をもたらしたといわれていいます。
日本では、江戸時代の三大飢饉の一つである、天明の大飢饉をもたらしました。
フランスでも凶作になり、国民は飢え、それが原因の一つとなってフランス革命は起きたとされています。
実際は浅間山よりアイスランドのラキ山の方が噴火量が多く、フランスにはラキ山の方がより多くの影響があったとみられています。
歴史を見ても、火山の大噴火によって冷害が起こり凶作につながるというのは分かっているんですよね。
ですから、私は最初、「成層圏ベールは作物の不作になると言われていたが、研究したらそうではなかった」というお話かと思ってたのに逆でむしろ驚きました……。
究極の温暖化対策!?二酸化炭素を直接吸引・回収!
地球工学的には、成層圏ベールとは別に、もう一つ構想があります。
それは、二酸化炭素を直接吸引してしまおう!というもの。
これも壮大な計画ですね!
私の頭の中で、巨大な掃除機が大気中の二酸化炭素をギュイーーーーンと吸収してしまうイメージ絵がでてきてしまいました。
スイスのベンチャー企業で、大気中の二酸化炭素を直接吸引・回収する技術を開発しました。
製品化を急いでいるそう。
開発者はこれを「究極の温暖化対策」と言っています。
どういったものかというと、大気中のカーボンを大きなパイプで吸い込み、特殊なフィルターで吸着・回収します。
フィルターがいっぱいになったら、100度ほどの熱で熱せると二酸化炭素はフィルターから離れ、濃縮二酸化炭素となって回収されます。
二酸化炭素の無くなった空気は再び大気に排出し、濃縮二酸化炭素は水素エネルギーに変換できるそうです。
まだコストなど課題はありますが、実用すれば吸収した二酸化炭素もエネルギーとして変換できるので無駄がないシステムになると思います。
「放出した物は直接回収すればいい」というストレートな発想が好きですね。
オゾン層は回復している?
成層圏内にはご存知、オゾン層もあります。
「南極に巨大なオゾンホールが出現!」
と言われたのは何十年前のことでしたか。
オゾン層は作れないの?
昔から不思議だったのですが、フロンガスでオゾンが減ったのなら、人工的にオゾンを作ればいいのでは?ということ。
子供の頃は疑問に思ってもわからないままでしたが、今はインターネットがあるので本当に便利!
分からないことを分からないままにしなくていいのって、脳機能にもいいらしいですよ!
こたえは、「大量のオゾンを安定的に成層圏まで運ぶ技術がない」でした。
今後の発展に期待しましょう……。
ところで、オゾン層が回復しているのをご存知ですか?
科学者たちは「オゾンホールが今世紀中ごろまでに塞がらない理由はない」と断言しています。
オゾンホールの平均サイズは、2000年以降170平方メートル(4402980km²)塞がっているそうです。
地球の回復能力スゴイ!
ただ、2015年にはまた大きなオゾンホールが確認されています。
それは同年のチリ・カルブコでの噴火などが影響しているとみられています。
また火山の噴火……!
成層圏ベールはオゾン層に影響しないのだとは思いますが、火山の噴火は本当に気候に多大な影響を及ぼしているのですね。
まとめ
今回は「成層圏ベール」という聞きなれない言葉について調べてみました。
成層圏ベールとは、成層圏にエアゾルを注入して、巨大な日傘を作ってしまうという構想です。
これは作物に悪い影響が出るのではないかと懸念される発表がありました。
それから、二酸化炭素を直接吸入・回収してしまうという構想もあります。
オゾン層は徐々に回復していました。
今日も暑いです。
個人的には、大気に紫外線強力遮断ベールをやってほしいです……。
外で私が歩いている間だけでいいから……!!
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