「初午(はつうま)」、「初午祭」と言われて、すぐにピンときますか?
私は友人数人に聞いてみましたが、誰も知りませんでした。
そんなに有名ではないのかもしれません。
でも、全国にある多くの稲荷神社で毎年行われる、日本に古くから伝わる歴史あるお祭りなんですよ。
初午祭(はつうままつり・はつうまさい)が行われるのは、
毎年2月の最初の午の日(うまのひ)です。
現代は、ただでさえ少子高齢化や地域の過疎化などで行事が失われていく傾向がありますね。
近年になって、密にならないようにお祭りも縮小化や中止になって寂しいかぎりです。
でも初午祭のように、大事に守られているお祭りのことは、機会があれば知っておきたいものですね。
では、初午の由来や、どんなお祭りなのか、いつ行われるのかを調べてみましょう。
初午の由来・2023年はいつ?
初午祭は古いもの好きにはたまらなくワクワクする由来があるようですよ。
初午の由来
そもそも稲荷社の本社である京都伏見稲荷大社は711年ごろに開かれました。
主祭神は宇迦之御魂大神(うかのみたまのかみ)という農耕神で、
宇迦の意味は穀物・食物の意味です。
今では時代の変化とともに、五穀豊穣の神、大漁の神、商売繁盛の神として
信仰されています。
京都伏見稲荷大社は、元々711年より古くから京都の伊奈利山の山麓で
農耕を行っていた人々がこの山をご神体として信仰をしていたことから始まる
そうです。
昔から山の神は春になると山をおりて田の神になり、秋の稲刈りが終わると
山へ帰るとされていました。
時代は過ぎて711年に、渡来人であり、その地域の長者であった秦氏が
今の京都伏見稲荷大社のもととなる神社を開きました。
ちなみに宇迦之御魂大神はスサノオとオムオオヒメとの間に産まれた神とも、イザナギ、イザナミの間に産まれた神ともいわれています。
性別は明らかではないのですが、女神様と伝わっているようです。
2023年の初午はいつ?
2023年2月5日(日)
711年の2月の初午の日に、宇迦之御魂大神が伊奈利山へ降臨しました。
そこで、全国の稲荷神社で初午祭が行われるようになりました。
初午の日には、五穀豊穣などを祈る初午詣での人たちで賑わいます。
有名な初午祭の神社は
別称は豊津稲荷神社ともよばれる。大阪城の鎮守社とされる。
神社ではなく曹洞宗の寺院で正式には妙厳寺という。境内の参道には鳥居が立っている。
年間約500万人の参詣者がおとずれる。
初午祭には毎年10万人もの人出がある。
日本三大稲荷の一つ。日本各地から年間350万人もの参詣者がおとずれる。
日本三大稲荷の一つ。年間300万人の参詣者が訪れる。
各地の初午祭りには、特徴的なお祭りもあるんですよ。
鹿児島神宮の初午祭は、華やかに飾り付けられ、首に鈴をつけた「鈴かけ馬」が、神社の境内や街中を練り歩きます。
太鼓や三味線にあわせて、足踏みをして踊っているような様子をみることができます。
また富山県南砺市利賀村では「利賀の初うま行事」として無形民俗文化財に指定されています。
初午にお稲荷さんを食べる意味
お稲荷さんといえば狐ですね。
狐は春先から田畑の周辺に姿をあらわすようになり、ねずみを捕ってくれます。
ねずみの駆除 → 農耕の神のお使い = 狐 → 田の神
としてまつられているようです。
そこで初午の日には日ごろの感謝を込めて、寿司飯を油揚げや油揚げ包んで奉納しました。
それが、いなり寿司の始まりです。
人間も狐の大好物の油揚げをたくさん食べられるように考案されました。
稲荷神社もいなり寿司も親しみをこめて「おいなりさん」と呼ばれています。
最後に
初午祭は全国に4万社もある稲荷神社で毎年行われていて、大小さまざまな神社で赤い
のぼりが立ち盛大なにぎわいをみせる日です。
このような歴史あるお祭りは今後もずっと残していっていただきたいものですね。