「悪い子はいねが~」「泣ぐ子はいねか~」
このセリフを聞けば、もう皆さん分かると思います。
そう、「なまはげ」です。
鬼がゾロゾロやって来て、子どもが泣き叫ぶ姿が思い浮かびますよね。
テレビで一度は見たことがあるのではないでしょうか?
一部の地域でしか行われていないのに、日本中で知られる有名な行事です。
でも、何となくは知っているものの、詳しくは…と言う人が多いのではないでしょうか?
実は、私もその一人。
そこで、そんな「なまはげ」について一緒にお勉強したいと思います。
なまはげとは?
まずは、基本情報から調べました。
なまはげは秋田県の男鹿半島周辺に伝わる行事です。
秋田県の地図を見たら、日本海にちょこっと突き出しているところ。
あそこが男鹿半島ですね。
年に一回、ワラの衣装に鬼の面をかぶった男たち(なまはげ)が
「悪い子はいねが~」
と奇声を発しながら、練り歩き、家々を訪れます。
そして、怠け者や子ども、初嫁を探して暴れるのだとか…
このなまはげは神々の使いと信じられていて、怠け者を諭したり、厄払いをしたり、豊作・豊漁・吉事をもたらしたりすると言われます。
と言うことは、恐ろしい格好をしていても悪者と言うわけではなく、むしろ歓迎される存在なのですね。
家の人は、なまはげを丁重に出迎えます。
そして、主人が家族の犯した一年の悪事を釈明した後、酒などをふるまって送り返すそうです。
今では毎年、大晦日に行われていますが、かつては、小正月(1月15日)に行われていました。
大晦日の行事になったのは、戦後からです。
昭和53年には「男鹿のナマハゲ」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。
「なまはげ」と低温やけどの関係
なまはげの語源は「火斑(ナモミ)を剥ぐ」が訛ったものだそうです。
ナモミというのは、囲炉裏に長時間あたっていると手足にできる低温やけどを指す方言。
ナモミができるということは、怠けて囲炉裏に当たってばかりいることを意味します。
なまはげは、怠け者を戒めるためにナモミを剥ぎ取りに家にやって来るというわけです。
なるほど、雪国ならではの言い伝えですね。
ナモミを取るのは、怠け者の戒めをすると同時に、災いを祓い新年を祝福するという意味もあるそうです。
なまはげの持ち物、包丁と桶は何に使う?
さて、なまはげが家々を訪れるとき、手に持っているものを思い出せますか?
答えは、大きな包丁と桶です。
鬼が包丁を持って家に現れるなんて、本当に恐ろしいですよね!
子どもたちにとっては、どれほどの恐怖であることでしょう!!
ここの包丁は、ナモミを剥ぎ取るために使います。
そして、剥ぎ取ったナモミを入れるものが桶だそうです。
もちろん、本物の包丁でも本当にナモミを剥ぎ取る訳でもないので、ご安心を。
最後に
地域の古い文化を伝える貴重な民族行事、なまはげ。
ですが、年々、このなまはげ行事を行う地域は減ってきているのだとか。
なまはげの後継者がいなかったり、子どもが減ったり、地方で昔からの風習を続けるのは難しいことですよね。
家々でのもてなしも大変ですし、お酒が入るので時にはトラブルも起こるようです。
時代の流れと言えばそれまでですが、伝統が廃れるのは寂しいことです。
一方で、この伝統を守っていこうとする取り組みもたくさんあります。
調べていて、面白そうだなと思ったものの一つが男鹿市にある「なまはげ館」。
男鹿半島の風土やなまはげのことを学べる施設です。
各地域の実物衣装や、なまはげを紹介する映画の上映など充実した展示内容になっています。
所在地: 〒010-0685 秋田県男鹿市北浦真山水喰沢
時間: 8時30分~17時00分
電話: 0185-22-5050
なまはげ変身コーナーでは、なまはげの衣装を着て記念撮影ができます。
楽しそうですよね!
家族で行ってみたくなりました。
なまはげのこと、ちょっと調べて意味を知ると、面白いですよね。
こうやって、関心を持つことも伝統を絶やさないことに繋がると思います。