小さいころ、遠足や運動会の前の日によくてるてる坊主を飾っていました。
願いは叶ったり叶わなかったり。
絶対に雨が降ってほしくない時には少々恨みましたが、てるてる坊主を作って飾ること自体が楽しかった記憶があります。
そしててるてる坊主を飾る時には、必ずと言っていいほど歌っていました。
「明日天気にしておくれ~」
この歌、実は3番まであるって知っていました?
私は最近知ったのですが、フルバージョンの歌詞とその意味を知っていたら、子供の頃、気軽に歌えなかったかも…
今回はてるてる坊主の歌詞、特に注目の3番に焦点を当ててお伝えします。
てるてる坊主の歌詞、3番は
てるてる坊主の歌詞で、特に目を引くのが3番の後半です。
まずは、歌を聞いてください。
まず1番と2番の歌詞では、晴れたらごほうびをあげます、という内容になっています。
『ごほうび』。私見ですが、お礼という感じではない気がします。
そして注目の3番。
歌詞を見ながら順に説明していきます。
まず「(歌詞)てるてる坊主~」といつものフレーズが流れた後、「(歌詞)それでも曇って泣いたなら」と、てるてる坊主の効力がなかった時はなにか罰があるかのように、脅して言い放ちます。
そして「そなたの首をチョンと切るぞ」と、具体的な罰を提示するのです。
ひどい、ひどすぎる。
1番から3番を順にみると、てるてる坊主の歌はまるで成功して当たり前、失敗は死を覚悟しなさいという、何だか戦争時代の日本を思い浮かべてしまいます。
現代の平和な世なら、また違った歌詞になったかもしれませんね。
てるてる坊主には幻の1番があった。
なんだかてるてる坊主の歌詞をマイナスに表現してしまいましたが、実はこの歌にも少し優しい歌詞が存在していました。
幻の1番の内容は、もし雨が降ったらみんなで泣こうね~、というもの。平和です。私はこちらが好きです。
でも、なんと削除されたんです。
削除したのは、作曲家の鶴の一声だったようです。
なぜ削除してしまったのかは不明。
削除された作詞家の気持ちを考えると納得できないものがありますが、なにか当時の力関係が働いたのでしょうか。
いずれにせよ作曲家に削除されたことで、てるてる坊主の牧歌的な雰囲気はかき消されました。個人的には幻の1番に残ってもらい、現在の3番と入れ替えていただきたい…。
本当は怖いてるてる坊主の由来
てるてる坊主のあの形、実は由来があります。
これまた残酷な話です。
昔、日本では天気を祈るお坊さんが存在したそうです。
雨乞いや晴れ乞いを行うお坊さんです。
ある村で雨が止まずに農作物に悪影響を与えていたので、お坊さんに「雨を止めてください。晴れにしてください」とお願いしました。
お坊さんは承諾し、祈り始めます。
しかし、1日たっても2日たっても、雨が止むことはありませんでした。
さて、村を統括する城主も、村人同様晴れることを望んでいまいた。
しかしお坊さんの祈りもむなしく雨はその後も降り続け、しびれを切らした城主はなんと罰としてお坊さんの首を切ってしまいます。
切られたお坊さんの頭は、白い大きな布にくるまれ、吊るされました。
すると、雨が止み、空に太陽が現れたそうです。
つまりてるてる坊主の中身は、お坊さんの頭…何とも言えませんね。
何とも言えないと言いながら、不謹慎ですが、くるんだ白い布は赤く染まることはなかったのだろうか…と考えてしまいました。
失礼。
まとめ
てるてる坊主の秘密を、まとめてみました。
相撲の偉い行司さんは判定を間違えると切腹するそうですが、昔は天気にも命を懸けていたんだなぁ、と日本人のストイックさを垣間見た気がします。
確かに、昔の人は天候により生活や命まで左右されたでしょうから、必死なのもわかりますね。
今はある程度天候も予想できます。
子供と気軽にてるてる坊主を楽しめる今が、なんだかいい時代だなと感じてしまいました。