※2018年6月13日追記
18歳成人、改正民法可決しました。
施行は2022年4月から
現在の日本で成人式といえば、20歳の人たちを対象としたイベントですね。
20歳になると「成人といわれる」、もしくは、「大人になる」という考えは広く定着しています。
しかし、近い将来にその基準となる年齢が変更される動きがあることをご存知でしょうか?
成人とされる年齢が、20歳から18歳へ引き下げられるかもしれないのです。
18歳からが成人となった場合、これまでとは大きく変わるのでしょうか?
それとも、さほど変化は無いのでしょうか?
今回は、成人とされる年齢が18歳へと引き下げられた場合に、どういうことが変わるのかを具体的に挙げてみました。
法律が変わった場合のメリットとデメリットについても、日本の将来を考えるうえでの重要なテーマといえそうです。
成人が18歳に引き下げられる動き
日本で「成人とされる年齢」に関して定められている法律は、“民法”です。
政府が民法の改正案を提出したのは、2016年8月のことでした。
改正案を提出したとしても、新しい内容が試行されるまでには期間を要します。
具体的には、施行までに少なくとも3年ほどの期間を政府が想定しているといわれています。
このことで影響を受ける法律の数は300以上もあり、簡単に変えられるものではないことが分かります。
改正案の提出から2年後となると2020年頃、もしかしたら日本でオリンピックが開催されている頃かもしれません。
日本国内がオリンピック一色になっているなかで、「知らないうちに成人年齢が18歳になっていた!」となれば混乱が生じかねません。
そのような混乱を避けるべく、成人年齢の変更は私たちの生活にどのような変化をもたらすのかを予測していきましょう。
施行された場合、18歳で何ができるようになる?
成人として認められる前と認められたあとでは、法律で許容される行動範囲に差があります。
喫煙と飲酒
※2018年6月13日追記
飲酒・喫煙・公営ギャンブルは20歳からのまま、変更なしになりました。
なかでも代表的なものといえば、喫煙と飲酒に関するものでしょう。
どちらも現在では健康維持のために、20歳未満の若者は法律で禁止されています。
それが18歳~20歳未満でも許されるとなると、大きな変化ですよね。
結婚できる年齢も変わる?
さらに現在政府で議論が行われているテーマが“結婚できる年齢”に関する内容です。
現在の日本では、親の同意があれば男性は18歳、女性は16歳で結婚できることになっています。
この年齢の若者は多くが高校に通っている世代ですね。
実際のところ、この年齢で結婚する人は決して多くはありません。
厚生労働省の調査によると、2014年に16~17歳で結婚した女性は、結婚と再婚を合わせて1,394人だったそうです。
そして今回の成人年齢引き下げの議論において、結婚できる年齢が男女ともに18歳にする案が出ています。
つまり、現在は“成人とされる年齢”と“結婚ができる年齢”が男女ともに異なっています。
それを、性別を分けることもなくすべて統一しようとする考えに基づいています。
結婚できる年齢に関する議論についてはこの世代の若者たちにとってももちろん、その保護者である親世代になっても気になるテーマといえるでしょう。
ローンを組める
そして、保護者にとって心配の種となるのが、お金の管理に関することです。
銀行などでローンを組むことは“成人”であることを基準に認められています。
18歳という若い年齢でローンを組みリスク管理をしていくことが可能かどうか、議論を深める必要がありそうです。
成人18歳のメリットは?
まずはメリットについて考えてみましょう。
若い年齢から成人としての高い意識を持つ
実は、諸外国では18歳以上を成人とする考えをする国が多くあります。
今回のように日本で成人年齢を引き下げる議論が始まったのも、諸外国の例に習ってのことでもあるのです。
18歳で成人と認められるようになれば、自分で意思決定ができるテーマがいくつも増えます。
そのことが若者にチャンスをもたらし、精神的な成長や独立心をもたらすことが期待できます。
国民年金を支払う人の人数が増える
日本は高齢化社会となり、少子化も深刻さを増しており、年金のもととなる収入の減少が課題になっています。
そこで、成人年齢が18歳となれば、国民年金の支払いが開始する年齢も引き下げられる可能性が出てきます。
そのことで18~20歳の若者に経済的な負担が生じるものの、高齢者の年金を保障するうえでは大きな支えが生まれるのです。
成人18歳のデメリットは?
次に、デメリットを挙げていきます。
健康に関するリスクの増加
年齢の低いうちから喫煙と飲酒をすることは、生活習慣病のリスクが高まるといわれています。
そもそも現在この2つが20歳未満の人に認められていないのは、それを示す医学的なデータがあるからです。
しかし、もし成人年齢の引き下げが決まれば、喫煙および飲酒が18歳から許されることになるかもしれません。
そうなった場合、将来的に健康被害が起きる可能性が高まると考えられます。
喫煙・飲酒によるマナー違反者の増加
喫煙・飲酒に関しては、マナーに関することも重要なテーマです。
特にお酒に関しては飲むことで意識を無くす人もいるため、自己管理しきれないというリスクがあるのです。
飲酒できる年齢が18歳まで下がると、そのリスクを更に高めることになりそうです。
皇室の成人年齢は元々18歳
皇室の方は、元から成人が18歳だという事を知っていますか?
「天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、18年とする」皇室典範で規定されています。
日本国の民法で青年年齢が18歳になるに従い、この条文が必要なくなるために削除されることが検討されていました。
しかし、自民党の議員から「皇室典範を民法改正の議論に入れるのは不敬」という発言が相次いだため、皇室典範は変更されない見通しとなりました。
まとめ
成人年齢の引き下げについて、変わっていく日本のイメージは浮かびましたか?
まだ民法の改正が確実に決定してはいませんが、改正への動きが強くなっていることは確かです。
自分たちの生活のために、そして、未来を担う若者たちのために、これからも成人年齢に関する議論を深めていく必要がありそうです。