一年はあっという間に過ぎ、また新しい年がやってきます。
あちらこちらに正月飾りが出てくると、
「あぁ、お正月だなぁ~」
としみじみ感じます。
正月飾りといえば、まず思い浮かべるのは門松ではないでしょうか。
家の門前などに立てられる正月飾りの門松。
別名、松飾り、飾り松、立て松などとも呼ばれています。
近ごろは、一般家庭に飾られることは少なくなりましたが、お店や会社などには立派な門松が飾られていますね。
日本人なら誰もが知る門松ですが、その意味を知る人は少ないのでは?
そこで、今回はその門松についてのお話をしたいと思います。
お正月に門松を飾る意味
どうして門松を門の前に飾るのか。
それは、神様をお迎えするための目印になるからです。
日本には、秋の収穫が終わると神様が山に帰るという言い伝えがあります。
そして、新年を迎え、また新たな農耕を始めるときに、神様が山から戻ってくると言われています。
神様が迷わず、ちゃんと来てくださるように、
「ウチはここですよ~」
という目印として飾られるのが門松というわけです。
新年にやってきた神様は年神様と呼ばれ、その年の実りと幸せをもたらしてくれます。
そのため、門松には五穀豊穣の意味があります。
3本に意味はある?
門松には3本の竹が使われているのが主流ですが、地方によっては5本使われているところもあるそうです。
どちらも縁起を担いで、2で割り切れない数になっています。
そして、3本の竹の長さは7:5:3と比率が決まっています。
これも2で割り切れない数ですね。
見た目的にもバランスが良いのではないでしょうか。
長い竹が男、短い竹が女、真ん中が男女の仲を取り持つものとされています。
そして、強く、真っすぐに育ち、成長が早い竹は繁栄を意味する縁起物でもあります。
「門松」なのに竹なのはなぜ?
それにしても、呼び名は門松なのに、現代の門松は3本の竹の存在感が大きいですよね。
でも、実は、門松は名前通りに竹の周りに飾っている松のほうが主役のようです。
松は古くから「永久のシンボル」とされていて、中国の唐の時代、門前に松を飾ったのが門松の由来と言われています。
日本には平安時代に伝わり、貴族の間からこの風習が始まりました。
今でも関西の一部では、根が付いたままの松を白い和紙で包み、金と赤の水引をかけて飾る風習があるそうです。
さらに、神様をお迎えする目印であることから、松=待つとかけている意味もありますね。
いつからいつまで飾る?
門松がある期間のことを「松の内」といいます。
松の内に入るのは12月13日からで、基本的にそれ以降ならいつでも門松を飾っていいとされています。
実際のところ、早めの時期はクリスマスムード一色なので、門松が出るのはクリスマス以降になることがほとんどですね。
ただし、12月29日に飾るのは「二重苦」「(9の末日から転じて)苦待つ」と言われ、縁起が悪いので避けなければいけません。
また、お正月まであと一日の31日は「一夜飾り」「一日飾り」と言われ、前日にバタバタと準備するのは神様に対して無礼ということで、これも良くないとされています。
門松を片付けるのは、松の内が終わる1月15日が伝統です。
しかし、関東などでは1月7日までに短縮しているところも多くなっています。
門松を片付けることは、松下ろし、松あがり、松払い、松引き、松納めなどと呼ばれています。
飾り終えた門松は、左義長をやっているところに持って行って燃やしてもらいます。
左義長とは、小正月(1月15日ころ)に行われる火祭りの行事。
この名前ではピンと来ないかもしれませんが、「とんど」「どんど焼き」などと言えば分かる人も多いのではないでしょうか?
どこでやっているのか分からない場合は、近くの神社やお寺などに問い合わせてみるとよいでしょう。
ウチの場合は、子どもが通っていた幼稚園で冬の行事としてやってくれていましたよ。
門松以外にもしめ飾りなどの縁起物も持っていけば、燃やして天に帰してもらえます。
左義長に持っていくことが出来ない場合は、お住まいの地域のルールに従ってゴミに出すことになりますが、その場合は感謝の気持ちを込めて、普通のゴミとは分けて出すといいと思います。
最後に
門松を飾り、お正月気分を味わうっていいものですよね。
家庭で立派な門松を飾るのは大変ですが、小さい物やお洒落な観葉植物風なども売られています。
また、近頃ではホームセンターや生花店などで飾りつけから撤去までのサービスをしているところもあるそうです。
忙しい人には、これは便利ですね。
我が家も今度のお正月は、神様に来てもらうためにも門松を飾ろうかなと思います。