「にやける」というとどんな感じの表情を思い浮かべますか?
写真の男性のように、ニヤニヤしている顔でしょうか。
実は、それが間違っているって知ってますか?
「にやける」の本来の意味と漢字
ニヤニヤ
よく薄笑いをしている人や軽く口角を上げてニヤッとしている人のことを「にやける」と言っていませんか?
ですがこの「にやける」、本来は別の意味の言葉だったのです!
本来、この「にやける」という言葉は
「男性がなよなよとしている。男性の服や行動が女性っぽくなっている」
という意味でつかわれていました。
「にやけ」(若気)を動詞化した言葉で、男性に対して使われる言葉でした。
漢字で書くと「若気る」と書きます。
この「若気」とはお侍さんがいた時代の日本では男色を指す言葉でした。
これからも分かるように、「にやける」とは男性が薄化粧をしていたり、女性の服を着ていたりするということでした。
なので、現在の日本人が薄笑いを浮かべている、ニヤッとしているという意味でつかわれている「にやける」とはまったく別の意味でした。
では、この「にやける」の本来の意味での使い方を紹介していきたいと思います。
「にやける」の本来の意味での使い方
「にやける」の本来の意味は男性がなよなよしているさま、を表しているということですが、では、その「にやける」の本来の意味での使い方を紹介していきたいと思います。
「にやける」の本来の意味での使いかたは、「化粧をしているなんてにやけた男だ。」のように使うのが正しい使い方になります。
現代の言葉で表すと、「チャラい」とか「女々しい」が当てはまると思います。
ですから、「テレビを見てにやけている。」などといった「にやける」の使いかたは間違っていることになります。
ですが、現代の日本で正しい使い方の「にやける」を使うと誤解して伝わってしまう可能性もあるので注意が必要です。
次は「にやける」の類語や言い換えを紹介していきたいと思います。
「にやける」の類語・言い換えは?
「にやける」の類語、関連語を調べてみたところ、「でれでれ」、「やにさがる」、「目じりをさげる」、「鼻の下をながくする」などがありました。
調べた中には「にやにや」するという意味の「にやける」の類語や関連語がヒットしました。
このことから現代の世間一般では「にやける」は「男性がなよなよとしている。」という意味よりも「ニヤッと笑う」などの意味で捉えられていることがほとんどだと分かりました。
また、本来の意味での「にやける」を現代の言葉で言い換えると上記でも説明したように、「チャラい」や「女々しい」の他に「なよなよしている」などがあります。
最後に
日本語は世界各国の言葉の中でもかなり複雑で難しいと聞きます。
一つの言葉でも複数の意味が存在していたり、前後の言葉によって意味が変わってしまったりする言葉もあります。
また、今回の「にやける」や今日の日本人の多くがしてしまっている、「ら抜き言葉」のように時代とともに意味が変わってしまう言葉もたくさんあります。
また時代とともに消滅してしまった言葉もあります。
しかし、本来の日本語を勉強し、正しい意味を理解することで、また違った見方ができるようになります。
本来の「にやける」の意味なんて、面白いものを発見できますしね。