日本の夏の風物詩の一つである、風鈴。
夏に家の軒下に吊り下げられた風鈴はチリンチリンと、なんとも涼し気な音色を奏でます。
ガラスや金属でできたお椀型の外見に短冊が吊り下げられた紐、「舌」が当たり音を鳴らす。
冷房ななかった時代の日本では風鈴の音が夏の暑さを和らげていました。
今ではすっかり風鈴を吊り下げている家庭は少なくなりましたが、今でも街中で風鈴の音が聞こえると、一気に夏を感じることができます。
この風鈴の音、実は電話・スマホ・携帯では聞こえないとのうわさがありますので、そちらについて説明していきたいと思います。
風鈴の音は電話で聞こえない!?
みなさんが日常的に使う携帯や、家庭用の固定電話。
実はこの電話での通話は、すべての音が聞こえるわけではないのです。
そもそも電話がキャッチできる音の周波数は決まっていて、その周波数は0.3~3.4KHZとなっています。
0.3~3.4KHZがどれほどの周波数かといっても、ちょっとピンとこないですよね。
たとえば、日本人男性の声色の平均周波数は約0.8KHZと言われています。
また、日本人女性の平均は1.2KHZと言われています。
男性と女性でもかなり声質は違いますが、それでも0.4KHZしか変わらないのですね。
しかし電話がキャッチできる周波数は0.3~3.4KHZです。
ということは、かなりの低音から高音までキャッチし電話越しでも聞こえるということです。
しかし今回の本題でもある、風鈴のチリンチリンという音色は電話越しでは聞こえないようなのです。
風鈴の音色の周波数は10KHZ以上のものがほとんどで、かなりの高音の周波数を発生しているため、電話越しではまったく聞こえません。
たしかに言われてみれば、今まで電話越しで風鈴の音色を聞いたことはありません。
しかもこの現象は最新機種のスマートフォンでも起こりうることなのです。
スマートフォン自体がキャッチできる周波数は普通の一般固定電話よりも幅広くなっていますが、風鈴の音色は聞こえません。
カツカツと何かが当たる音は聞こえても、風鈴の涼し気な音色は聞こえないようになっています。
しかもガラス製ではなく金属製の風鈴だと、さらに高音になるためどんなに高性能な携帯電話や固定電話でも聞こえない仕組みになっています。
鈴虫などの虫の音も聞こえない!?
風鈴と似たような鳴き声を出す鈴虫。
この鈴虫の美しい音色もかなり高音で4.5KHZほどの周波数があるため、電話では聞こえません。
またボイスレコーダーなどの携帯の録音機能などでも、鈴虫の鳴き声や風鈴の音色は録音できないようになっています。
ですがポジティブにとらえると、夏の涼しい夜に軒下にでて電話をしても周りの風鈴の音色や鈴虫の鳴き声は相手には聞こえないので、安心して電話ができます。
外国人は風鈴や虫の音が雑音に聞こえる?
私たち日本人にとっては、なんとも涼しげな音を奏でる風鈴の音色や鈴虫の鳴き声。
しかし普段、この音色を聞きなれていない外国人にとっては風鈴の音色や鈴虫の鳴き声が雑音に聞こえるのだそうです。
日本人は昔から風鈴の音色や鈴虫の鳴き声は「涼しい音」としての印象が強いので、心地よく聞こえます。
でもこの音色を聴きなれていない外国人の方にとっては、かなりうるさく感じるようです。
とはいえ日本に旅行に来た外国人のお土産に風鈴の人気があるそうです。
日本人特有の風情は感じてはいないようですが、「美しい音色」として風鈴の音を気に入る方も多いそうです。
最後に
周波数をまとめました。
・電話がキャッチできる周波数・・・0.3~3.4KHZ
・日本人男性の平均周波数・・・約0.8KHZ
・日本人女性の平均周波数・・・約1.2KHZ
・風鈴の音色の周波数・・・10KHZ以上
・鈴虫の音色の周波数・・・約4.5KHZ
こうしてみると、風鈴はかなり高音ですね。
夏の風物詩、風鈴。
年々、風鈴を吊り下げる家庭は少なくなっていますが、蒸し暑い夏を少しでも快適に乗り切るために是非風鈴の音色を楽しんでみてください。
自分だけではなく、ふと風鈴の音色が聞こえた全ての方が心安らぐようになると思います。
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