氷の上をヨチヨチ歩くペンギンって可愛いですよね。
足が短くて、歩き始めた赤ちゃんみたいです。
でも、知ってました?
ペンギンの足って、本当は長いのです!
正確には、足の付け根から足首までの、「脚」と書く部分です。
「え? ペンギンに脚の部分があるの?」
と思いますよね?
「胴長短足・ずんぐりむっくりがペンギンのアイデンティティでしょ?」
なんて思ってます?
そんな私あなたに、ペンギンの秘密をお教えしましょう!
ペンギンは脚を隠している
ペンギンのレントゲン写真を見ると、体の中に長い脚が隠れています。
長い脚が膝で直角に曲がっています。
人間でいうと、ずっと空気イスをしているようなものです。
涼しそうな顔をしていますが、内部を想像すると辛そうですね。
ペンギンがよちよち歩いて癒やされると思っていましたが、
実は空気イスをしながら更新していると思うと、また違った気持ちになりますね。
疲れそうだから、たまには伸ばせばいいのにと思うのですが、
関節は固定されているので、足は伸ばせません。
生まれたときから膝を伸ばしたことがないので、
こちらが思うほどきつくもないのでしょうね。
こればかりは、ペンギンに聞かなければ分かりませんけどね。
余談ですが鳥類はほとんど脚が曲がっていて、膝は体内に入ってます。
体外に出ていて、「逆に曲がったひざ」の所は、人間でいえば「かかと」です。
「すね」の途中までが外に出ています。
でもペンギンは、もっとスッポリ隠れてますね。
脚を隠しているのはどうして?
脚が出ていないのでヨチヨチ歩きになり、走れないし、よく転びます。
陸上では欠点だらけのようですが(可愛いですけどね)、
そうまでしてなぜ脚を体内に隠しているのでしょう。
寒いから
言うまでもなく、ペンギンが暮らしている南極は極寒です。
ペンギンの語源をご存知ですか?
「脂肪」という意味です。
脂肪たっぷりの体とびっしり詰まった羽毛の中で、脚を温めています。
冬でもミニスカートの女子高生とは違います。
まあ、彼女たちは南極に暮らしていませんからね。
南極のボストークという場所の最低気温は-89.2度です。
脚なんて出せませんね。
外に出ている足は寒くないの?
でもくるぶしから下、「足」の部分は出ています。
直に氷に触れていて大丈夫なのでしょうか。
足は毛が生えてなくむき出しなので、体内の熱が逃げやすくなっています。
それなのに裸足でいられるのは、足の内部の構造に答えがあります。
私たち人間の血管は、動脈と静脈が並行して通っています。
ですがペンギンの足は、太い動脈の周りに静脈が絡みついています。
動脈の温かい血で静脈の冷え切った血を温めながら、体の中心部に巡らせます。
そうすることで体温の低下を防止し、足先にも温かい血が届くのです。
ちなみにペンギンの足には汗腺がないので、足が乾いています。
ですから汗で氷とくっついてしまうこともありません。
極寒で暮らすペンギンなので、寒さに耐えるように進化したのですね。
速く泳ぐため
地上ではヨチヨチ歩きのペンギンですが、水中では空を飛ぶように自由に泳ぎます。
魚を捕まえるため、天敵から逃げるため、より速く泳ぐ必要がありました。
脚を体の中に折りたたんだ方が、水の抵抗を減らすのに都合が良かったのです。
脚を体内に入れた利点はまだあります。
水中で内臓を守るためです。
水中で自由に泳ぎ回るので、かなりの水圧がかかります。
脚を体の中に入れて折りたたむことで、水圧から重要な内臓を守ることができます。
エサも天敵もいない陸上生活を犠牲にして、水中での自由を得たのですね。
まとめ
いかがでしょうか。
可愛いペンギンの見方が変ったのではないでしょうか。
陸上でヨチヨチ歩いて転んでいるのを見ていると心配してしまいますが、
ちゃんと理由があり、環境に適応して進化したのですね。
日本はペンギンを飼育している施設が多く、ペンギンの数は世界一だそうです。
水族館や動物園に行くと、ペンギンがたくさんいますね。
今度ペンギンを見たら、ずんぐりむっくりしたお腹の中に、
長い脚が折りたたまれているのを想像してくださいね。
楽しいですよ。