冬野菜でお馴染みのほうれん草と小松菜。
旬の冬になると甘味も増して最も栄養価が高くなる冬野菜です。
使える料理の幅が広いことから人気のお野菜ですよね。
ほうれん草と小松菜は、姿かたちがとてもよく似ています。パッケージに「ほうれん草」
「小松菜」と書いてあるならともかく、お買い物から帰った後、あれ違った!と間違えた方はいらっしゃいませんか?
この2つにはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。確認してみましょう。
ほうれん草と小松菜の栄養素違い
姿がよく似ているほうれん草と小松菜ですが、それぞれ栄養素もお互いに似ているのでしょうか?特徴を比較して見てみましょう。
◎ほうれん草と小松菜に含まれる栄養素の含有量(100g中)
栄養素 | ほうれん草 | 小松菜 |
エネルギー(kcal) | 20 | 14 |
炭水化物(g) | 3.1 | 2.4 |
食物繊維(g) | 2.8 | 1.9 |
タンパク質(g) | 2.2 | 1.5 |
ビタミンA相当量(µg) | 350 | 260 |
ビタミンC(mg) | 35 | 39 |
ビタミンE(mg) | 2.1 | 0.9 |
β-カロテン(µg) | 4200 | 3100 |
葉酸(µg) | 210 | 110 |
カルシウム(mg) | 49 | 170 |
カリウム(mg) | 690 | 500 |
マグネシウム(mg) | 69 | 12 |
鉄分(mg) | 2.0 | 2.8 |
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版」参照
栄養素の含有量を見てみますとほうれん草も小松菜もビタミンやミネラルが豊富な野菜だということが分かりますね。
全体的に見るとほうれん草の方が栄養価は高いようですが、カルシウム、鉄、ビタミンCの含有量は小松菜の方が豊富です。
この3つは日本人に不足しがちな栄養素なので積極的に取り入れたいですね!
ほうれん草の栄養価
ほうれん草はβ-カロテンがダントツ
緑黄色野菜といえばβ-カロテンと言われるほどですが、ほうれん草も小松菜も含有量が豊富ですね。
それでもトップクラスなのは断然ほうれん草です。
β-カロテンは抗酸化作用が高いので、成人病や老化の原因になる活性酸素が増えるのを抑えてくれます。
しかも、目や皮膚を健康にしてくれる作用もあるんですよ。眼精疲労やがん予防にも効果が期待できますね。
葉酸が豊富なほうれん草
葉酸は体内の細胞や再生を助けるとともに、体の発育を促す栄養素です。
子ども達にほうれん草のような緑黄色野菜を食べるように!と昔から言われてきたのも納得です。
特に妊婦の方は、赤ちゃんの新しい細胞が作られる大切な時期ですよね。そこで葉酸は必要不可欠な栄養素となります。
小松菜の栄養価
小松菜はカルシウムの王様
カルシウムの値を見比べますと、小松菜の方が多く含んでいますね。ほうれん草の約4倍近くのカルシウムが含まれているのは驚きです。
牛乳でも栄養価は110mgなので、小鉢一皿ほどの小松菜はカルシウムの王様といえるでしょう。
カルシウムは骨や歯を丈夫にし、骨粗鬆症を防ぐのに外せない栄養素です。
カルシウムが不足しがちな年配の方や妊婦さん、成長期の子供たちにぜひ積極的に食べてほしい野菜です。
小松菜はビタミンCが豊富
小松菜はほうれん草よりもビタミンCが多く含まれています。アクが少ないので、生食したり、そのまま調理できます。加熱によって壊れてしまうビタミンCを失わずに効率よく食べることができます。
小松菜は鉄の吸収を高めるビタミンCを多く含んでいるので、美肌効果や免疫力アップにピッタリな食材ですね。
ほうれん草と小松菜の簡単な見分け方
一見区別がつかないくらいどちらもよく似ているほうれん草と小松菜。
よくよく見ると、当然違いはありますよ。そこで見分け方を整理してみました。
ほうれん草と小松菜の違いは茎と葉に注目!
ぱっと一目見て簡単に見分けるのは、根元に注目すること。
ほうれん草の根元は、ピンクから赤みがかっています。
一方の小松菜は緑色で、特に色が付いているという感じではありません。
根元を見れば一発で確認できますが、葉っぱにも特徴がありますよ。
ほうれん草は葉の縁がギザギザしていて三角形に近い形です。
小松菜は葉の先端が丸みを帯びていて楕円形をしています。
形はそれぞれ似ているものもあるかもしれませんが、ほうれん草の葉は少しちぢれているものが多いです。
このようにしっかり見分けられ、区別できることが分かります。
ほうれん草と小松菜は、それぞれ料理に代用できる?
ほうれん草も小松菜も代替え食材として利用できるのでしょうか。
ほうれん草の特徴アクが強い
えぐみが強い
繊維が少なく、やわらかい
小松菜の特徴アクがない
さっぱりとしている
シャキシャキした食感
ほうれん草にはアクやえぐみの原因であるシュウ酸が多く含まれています。
お湯で下茹でして水でさらしてシュウ酸を抜きましょう。
シュウ酸を含んでいるほうれん草は食べ過ぎると尿路結石の原因になる場合があります。
あくまでも食べ過ぎ、の場合なので時々お味噌汁やお鍋などで食べる分には問題ないので心配は入りませんよ。
この2つの食べ方として
・お吸い物やお味噌汁
・お浸し
・炒め物
が思い当たるのではないでしょうか。
付け合わせに大活躍ですが、「ちょっと物足りないな~」という時に、主力になるおかずも考えてみませんか。
意外とアレンジ自由な食材なので、嬉しいことがいっぱいの野菜です。
しかも魚や肉、乳製品との食べ合わせが効果的です!
ほうれん草と小松菜のおすすめ料理
オススメ① 牡蠣や鮭と一緒に使ってみる
パスタやグラタン、シチューに入れて食べる。
ほうれん草も小松菜も秋冬の味覚ですので、牡蠣や鮭などの秋冬が旬の材料と相性がいいんです。
カルシウムも豊富に含まれているので栄養もタップリ摂れますね。
オススメ② 肉類と一緒に使ってみる
豚肉は疲労回復に適しています。バターソテーなど、栄養を効率よく摂取できるので
オススメです。
鶏肉はタンパク質が多く低カロリーなのでダイエットの方にもおすすめです。
おかゆやカレー、シチューなど煮込み料理に合います。
牛肉はビビンバやチャプチェなど韓国料理で使われます。ほうれん草や小松菜を使うと味をさっぱりと引き締めてくれます。
オススメ③ チーズや卵と一緒に使ってみる
チーズや卵は相性抜群です。鉄分やカルシウムなど栄養が豊富に含まれているので積極的に摂りたい食材です。
緑の葉物はピザやオムレツ、キッシュなどアクセントになるので彩を添えるのにも一役かっていますね。
どちらも栄養の面でも旬の面でも似ている食材なので、風味もどことなく似ています。
多少の食感や味の違いを気にしなければ、どれも美味しくいただけます。
しかし、熱に弱いビタミンCが出て行ってしまわないように、加熱時間はできるだけ短くするよう意識しましょう。
まとめ
多少違いはあるものの、ほうれん草も小松菜も「栄養価が高い」野菜でしたね。
私はあまりこだわりはなく、どちらか冷蔵庫にあるものを使ったり、お店で安い方を買って料理しちゃいます。
我が家ではどちらも人気のある野菜で、よくキッシュを作って食べています。具沢山にできるし、乳製品と卵が一緒に摂れるので主力おかずの一つです。
栄養豊富で健康にも役立つ「ほうれん草」と「小松菜」。
ぜひ積極的にお子さんと一緒に食べるようにしたいですね。