失われた大陸、ジーランディアをご存知ですか?
地球には、ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・オーストラリア大陸・南極大陸の6つの大陸が存在しています。
これを六大陸というのですが、なんと実は第七番目の大陸が現存するというのです!
今回は、ニュージーランド海域に沈んでいる第7の大陸、ジーランディアを調べてみました。
失われた大陸・ジーランディアとは
引用:wikipedia
2017年7月22日にNHKで
「体感!グレートネイチャー▽追跡失われた大陸 ジーランディア~ニュージーランド」
という番組がありました。
観た方も多いのではないでしょうか。
さっそくジーランディアの概略を見てみましょう。
ジーランディアの位置・場所
ジーランディアは、オーストラリアの東、ニュージーランド海域に沈んでいます。
ニューカレドニアが北端で、ニュージーランドを含んでいます。
「ニュージーランド」とは、「新しい海の土地」という意味です。
ですから「ジーランディア」は「海の土地」ということですね。
ジーランディアの由来
ジーランディアは英語ではzealandiaと書きます。
タスマンティス(Tasmantis)という呼称もあるそうです。
「ジーランディア」という名前は、海洋学者のブルース・ラインダイク博士が名付けました。
ラインダイク博士は、1995年、ジーランディア大陸の存在を最初に提唱した人物です。
ラインダイク博士によると、「ジーランディア」とは、ニュージーランド・ニューカレドニア・ゴンドワナの3つから名前を組み合わせて付けたとか。
なんでゴンドワナ?と思われるかと思います。
ジーランディアは、ゴンドワナの一部だったからです。
ジーランディアの歴史
はるか昔、超大陸「ゴンドワナ」という大陸がありました。
ゴンドワナの中には、現在のアフリカ大陸・南アメリカ大陸・インド亜大陸・南極大陸・オーストラリア大陸・アラビア半島・マダガスカル島が入っていたといわれています。
その一部に、ジーランディア大陸も含まれていたのではないかと考えられます。
ゴンドワナ大陸は、1億8000万年頃から少しずつ分裂していき、今の大陸や島になったということです。
ジーランディアも徐々に分裂していきました。
ジーランディア分裂歴史の概略です。
約1億3000万年前〜8500万年前・・・南極大陸と分裂
約8500万年前〜6000万年前・・・オーストラリア大陸と分裂
約2300万年前にジーランディア大陸の93%が海に沈む
93%ですから、ほとんど沈んだと言っていいでしょう。
「失われた大陸」の名にふさわしいです。
残りの海上にある7%は、ニュージーランドとニューカレドニアです。
もし、海上にジーランディアが浮上したら、ニュージーランドの面積は大変なことになってしまいますね。
次は、そんな期待を持ってしまう面積の話です。
ジーランディアの面積
93%、ほぼ海の下に沈んでいる、ジーランディア大陸の面積は、約350万km²です。
そういわれてもピンときませんね。
日本の面積が37万8,000 km²ですので、日本の9倍くらいでしょうか。
世界最大の島グリーンランド約216万km²、インド半島が約440万km²ですので、グリーンランドとインド半島との中間くらいですかね。
すぐ近くのオーストラリア大陸が約900万km²なので、オーストラリアの半分もいかないですね。
う~ん、ちょっと大きさ的には期待外れでした。
オーストラリアは六大陸の中でも最小と言われています。
そのオーストラリアの半分以下ですからね。
それでも島というには大きすぎです。
前述の世界最大の島であるグリーンランドより100万km²以上広いのですから、やはり「大陸」と言って過言ではないでしょう。
2020年「ちきゅう」の潜水調査計画!
そんな無視できない大きさの沈んだ大陸ジーランディア。
実は2020年に地球深部探査船による潜水調査が計画されています。
探査するのは海洋研究開発機構(JAMSTEC)で、地球深部探査船の名前は「ちきゅう」です。
地球深部を探査するのにふさわしい名前ですね。
「ちきゅう」のライザー掘削でリフト堆積盆を掘り抜き、堆積物を解読するそうです。
この探査の目的は、白亜紀におけるゴンドワナ大陸東縁の分裂・沈降過程と火成活動、南半球の高緯度海域における海洋環境変動の解明です。
引用:JAMSTEC
この探査で、きっとまだベールに包まれているジーランディアの発見がたくさん明るみに出るでしょう。
地球史に重大な新説が生まれるかもしれません。
今までの定説が覆されるかも!?
とても楽しみです!
幻の大陸・アトランティスの正体!?文明は!?
ジーランディアが海の底に存在されていることは証明されました。
すると、当然ある想像というか妄想が広がってしまうのは当然です。
ジーランディアってもしかして、アトランティス大陸なんじゃないの!?
アトランティスとは
アトランティスが何なのか、ウィキペディアにはこう書いてあります。
アトランティス(古代ギリシア語: Ατλαντίς)は、古代ギリシアの哲学者プラトンが著書『ティマイオス』[† 1]及び『クリティアス』[† 2]の中で記述した、大陸と呼べるほどの大きさを持った島と、そこに繁栄した王国のことである。強大な軍事力を背景に世界の覇権を握ろうとしたものの、ゼウスの怒りに触れて海中に沈められたとされている。
アトランティスとは、プラトンの本に書いてあった島なんですね。
果たしてアトランティスがジーランディアの事なのか、一つ一つ確認してみましょう。
・大陸と呼べるほどの大きさを持った島
これはジーランディアに当てはまりますね。
前述の通り、ジーランディア大陸の面積は、約350万km²です。
六大陸中最小の大陸であるオーストラリア大陸が約900万km²、
世界最大の島であるグリーンランドが約216万km²です。
最小の大陸より小さく、最大の島より大きいのですから、まさに「大陸と呼べるほどの大きさを持った島」です。
・そこに繁栄した王国
繁栄したという事は、人間が住んでいて文明が発達し文化があったということですよね。
これはどうでしょうか。
前述の通り、ジーランディアは約2300万年前に93%が海に沈んでいます。
2300万年前というのは、地球史において「新生代の第三の時古第三紀の第三番目」くらいです。
新生代というのは、地球史でいう「漸新世(ぜんしんせい)」の時代です。
漸新世というのは、ウィキペディアを見ると「約3,400万年前から約2,300万年前までの期間。新生代の第三の時代。古第三紀の第三番目かつ最後の世。」と書いてあります。
新生代は、恐竜が生きていた中生代のすぐ後の時代です。
新生代の中の古第三紀の漸新世という時代は、哺乳類の進化・大型化が進んだ時代です。
お分かりでしょうか?
人類が登場するのはまだまだ先の事です。
猿人であるアウストラロピテクスでさえ、約390万 ~ 約290万年前のことです。
文化や文明が発達し繁栄したはずはありませんね。
王国を築き上げて強大な軍事力で世界の覇権を握ろうとするなんてもちろん無理です。
ですから、「プラトンさんが言っていたアトランティス」とは違うのではないでしょうか。
ついにアトランティスの謎が解明される!?と思ったのに残念です。
では、ムー大陸なのでは?
アトランティスで無いならムー大陸では?
そう思うのが人情というものです。
ムー大陸について、またウィキペディアを参照しました。
ムー大陸(ムーたいりく、英: Mu)は、ジェームズ・チャーチワードの著作によると、今から約1万2000年前に太平洋にあったとされる失われた大陸とその文明をさす。イースター島やポリネシアの島々を、滅亡を逃れたムー大陸の名残であるとする説もあった[注釈 1]。しかし、決定的な証拠となる遺跡遺物などは存在せず[注釈 2]、海底調査でも巨大大陸が海没したことを示唆するいかなる証拠も見つかっておらず、伝説上の大陸であるとされる。ムー大陸が存在した証拠として、イースター島には資源に乏しいにもかかわらず大規模な石造があることが挙げられることもあったが、かつてのイースター島は森林資源が豊富で、森林伐採の挙句文明が滅んだことが現在ではわかっている為、論拠にならない。
「今から約1万2000年前に太平洋にあったとされる失われた大陸とその文明をさす。」
と書いてありますね。
1万2000年前というのは、どのような時代でしょう。
この時代は完新世の最初の頃にあたります。
石器時代というのはご存知ですね。
中石器時代や亜旧石器時代が始まった頃で、雑穀などを作る農業の始まりもこの時代です。
先程から書いてますが、約2300万年前にジーランディア大陸のほぼ全域が水没していますので、やはり違うようです。
ムー大陸もジーランディアではないようですね。
まとめ
ジーランディアについてまとめました。
・ジーランディアはニュージーランド海域に沈んでいる第7の大陸(と言っていい)
・ジーランディアは昔、超大陸ゴンドワナの一部だった
・ジーランディアはオーストラリアより小さくグリーンランドより大きい
・2020年に大規模な潜水調査が計画されている
・ジーランディアは、アトランティスやムー大陸ではない
いかがでしたか?
今まで海に沈んでいた第七の大陸なんてワクワクしますね。
地球にはまだまだロマンが眠っているのです!
追記
数年前、上野の科学博物館で購入した世界地図にジーランディアがすでに載っていました!
我が家で毎日なんとはなしにジーランディアを眺めていたとは、不覚!
この世界地図は、海の水深がわかってとても面白いです。
科学博物館に行ったときは、ぜひ!
と思ったらネットでも見つけました。
これです。
眺めていると「海のここら辺が浅いね~」と子供と楽しめます♪
地球のことが深く分かる地図です。
お勧め!