普段、当たり前に使っていますが、日本語って難しいですよね。
文脈や漢字から、何となく意味は想像がつくけれど、正確には理解していない言葉もたくさんあるのでは?
さて、ちょっと古めかしい言葉ですが、「妙齢(みょうれい)」という言葉があります。
「妙齢の女性」といったふうに使われ、年齢のことを表しているのは分かると思います。
では、何歳くらいを指すのでしょう?
具体的に何歳かと聞かれると、考えてしまいますね。
では、今回はこの「妙齢」という言葉について考えていきましょう。
「妙齢」、みんなは何歳くらいだと思ってる?
「なんとなく微妙な年齢のことじゃない?」
そう思っている人はいませんか?
微妙というイメージから、おばさん世代・年を重ねた人といった意味だと思っている人が時々います。
でも、これは大間違い!
「妙」の漢字には、若い・美しいといった意味があります。
妙齢の正しい意味は、「若い年頃・うら若い」になります。
そして、若い女性、特に結婚適齢期の女性に対して使われることが多い言葉です。
一般的には20代くらいと思われている場合が多いようです。
本当は何歳くらいの事?男性にも使う?
実は、妙齢には特に何歳という具体的な定義はありません。
そのため、時代の変化によって認識もずいぶん変わってきているようです。
結婚適齢期といっても、今と昔では全然違いますよね。
江戸時代の結婚適齢期は、14~18歳くらい。
20歳を過ぎると、もう行き遅れだと言われていました。
十代後半ならまだしも、14歳を妙齢と呼ぶのは、現代の感覚では考えにくいですね。
現代の女性は晩婚化が進み、20代後半~30代くらいで結婚する人が多数派になりました。
30代、40代でも若々しい女性もいて、彼女たちに対しても妙齢にあてはまるという意見もあります。
団塊の世代くらい以前は20代前半までが結婚適齢期とされていたことを考えると、妙齢の意味は時代の流れで急速に変化しています。
また、近ごろ「妙齢の男性」というように男性に対して使われることもあるそうです。
普通、女性に使われる言葉なので不適切なのでは?
そう思われがちですが、間違いとは言い切れません。
言葉は時代とともに変化します。
男性に対して若い・美しいという形容をしても、決して間違いではないですよね。
調べていくと、古くは男性にも使われていたことがあったそうです。
ただし、「妙齢=女性に対して使う言葉」という認識が一般的です。
男性に対して使った場合、間違っていると受け止められる可能性もあります。
妙齢の類語・対義語
妙齢に関連して、似た言葉や相反する言葉もいろいろあります。
どんな言葉があるのか、いくつかご紹介しましょう。
妙齢の類義語
〇芳紀(ほうき)
女性の若くて美しい年ごろ。
年齢を表す語の前につけて用いる。
(例)芳紀まさに十八歳
〇年頃(としごろ)
ちょうどふさわしい年齢。
特に女性の結婚適齢期。
〇若女(わかおんな)
能面のひとつ。
若い女のこと。
〇女盛り
女性が精神的、肉体的に成熟して最も美しい年ごろ。
「娘盛り」は女盛りよりも年齢的に下で、結婚前に用いる。
妙齢の対義語
〇年増
娘の年頃を過ぎた女性。
江戸時代は20歳以上、戦後~昭和は30歳以上くらい。
〇熟女
成熟した魅力を持つ女性。
30歳~50歳代を指すことが多い。
〇中年
青年と老年の間。
40歳代くらい。
〇晩嬢(ばんじょう)
2008年出版の「晩嬢という生き方」という本で生まれた言葉。
30歳以上の未婚女性。
最後に
妙齢は若い人、特に女性を指して使う言葉。
そして具体的な年齢は、時代とともに変化し、幅広く使われていることが分かりました。
年齢のことを話題にするのは難しい場合もあります。
人によって受け取り方が違うのであれば、使うときには気をつけなければいけませんね。