初夏の時期に、蛍の光を見ると心が癒やされますよね。
目に優しい光という感じがします。
そんな蛍の光ですが、いつから光るか知っていますか?
空中を飛んでいるときから光っていると思っていませんでしたか?
実は、そうじゃなかったのです!!
今回は、そんな蛍の光りの仕組みについて徹底的に調べてみました!
蛍の卵は光るって本当?
蛍の光と言えば、夜に空中をゆらゆら待って光っているイメージがありますよね?
でも実は、卵のときから光っていたのです!
蛍は卵を川の中で産みます。
水底にある苔に、メスが卵を産み付けるのです。
水分が多い場所に卵を産むことで、卵を乾燥から守っています。
これが大体、3月頃のできごとなんです。
そのため、梅雨頃から見られると思っていた蛍の光は、
よーく見ると3月頃から川の中で見られるのです。
なぜ卵から光るの?
では、なぜ卵の状態から光るのでしょうか?
そもそも蛍が光るのは、メスがオスに自分の居場所を知らせ、交尾するためでした。
それなのに、卵の状態から光っているってどういうこと?と思いますよね?
実は、卵の状態から光る理由は、はっきりしていないのです。
一部では、敵から身を守るために光っている。という説がありますが、
儚い光で弱々しさをアピールしていることにもなりかねません…。
蛍が光る仕組み
次にどういう仕組みで、卵の状態から光っているのかみていきましょう!
光のメカニズムは、成虫と同じです。
蛍のおしりの部分に「ルシフェリン」という光る物質があります。
このルシフェリンに、酸素と酵素が合わさると光るという仕組みだったのです。
なので、ルシフェリンという物質が卵の中で成長する内に作られ、
そこに酸素と酵素が反応すれば、卵の中でも光ることができるのです。
そして、卵の状態で光る仕組みのもとができるので、
その後、幼虫になってもさなぎになっても光っているのです!
蛍のエネルギー変換効率はLEDの3倍近く!
ちなみに、蛍はエネルギーを光に変換する力が高いのはご存知ですか?
今、最も効率が良いとされているLED電球ですが、
エネルギーの30%しか光に変換できていないのです。
それに引き換え、蛍はなんとエネルギーの88%も光に変換できるのです!
この素晴らしさに目を付けた科学者の中で、
蛍の光を現代科学に活かせないか研究がされているそうです。
蛍の幼虫の名前は「水ボタル」
蛍の幼虫の名前は、「水ボタル」といいます。
どうして水ボタルと呼ばれているのかと言うと、
江戸時代に蛍の生態を調べていた人が、
蛍の幼虫が水の中で光っている様子をみたことがきっかけと言われています。
この水ボタルですが、実は、蛍の成長段階の中で1番長い期間なんです。
成虫になって陸に出てきてからは、2週間の命と短いのですが、
川の中で過ごす幼虫の期間は、なんと9〜10ヶ月もあります!
その間にどんな成長の過程があるのか、カンタンにお伝えしますね!
大体7月頃、蛍が活動的に陸を飛んでいる時期ですね。その頃に、卵を産みます。
そして30日ほど経つと、その卵の膜がだんだん透明になっていきます。
この状態から幼虫と呼ばれます。
そして卵からかえると、水中の中の暮らしをスタートさせます。
このとき、タニシを食べて大きくなるそうです。
この期間を9〜10ヶ月過ごした後に、さなぎになります。
さなぎになると、陸に上がりますが、すぐ土の中に入ります。
そして、土の中で餌も食べずじっと待ちます。
この期間を40〜50日過ごした後に、成虫になり陸に上っていくのです。
わたしたちが見ていた2週間の裏側には、長い月日がかかっていたんですね。
蛍の一生…そして死んでも光るの?
先程、蛍が光る仕組みについてお伝えしましたね。
おしりにあるルシフェリンという光る物質に、酸素と酵素が反応すると光るんでしたね。
では、蛍が死んでしまった後も光るのかというと…
結論、光らせることはできます。しかし、自然に光るかはわかりません。
というのも、蛍が死んでしまっても乾燥させて保存し、
人間が手を加えて、ルシフェリンに酸素と酵素を反応すると光ることはできるそうです。
しかし、自然界では乾燥させて保存することが難しいため
光る確率はとても低いそうです。
人間が手を加えて無理やり光らせているなんて、なんか悲しいですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
蛍が卵の状態から、そして死んでしまっても光らせることはできると分かっていただけましたか?
卵から一生懸命光っている蛍を考えると、
今年蛍を見ると、いつもと違った感情が湧いてきそうです。
ただキレイだなと見るのもいいですが、
たまには、この光を見るために1年くらい頑張ってきたんだなー
なんて思いながら見るのも、面白いと思いますよ!