昔は初夏になるとあちこちで見られていた蛍ですが、今では滅多に見られなくなりました。
あの儚い明かりは、日本らしくて眺めていると心が洗われますよね。
今回は、そんな蛍の知られざる実態をお伝えしていきます!
蛍の時期と場所、時間帯は?
蛍は何月に見られる?蛍前線とは?
まず蛍はいつ見られるのかというと、だいたい5月の後半から6月の後半までです。
湿度の高い時に飛び回るので、梅雨に入ったころまでが目安です。
なので、梅雨前線が南から北へ上がってくるように、蛍が見られる時期も同様に南から北へ上がってきます。これが蛍前線と呼ばれているんです!
ゲンジボタルとヘイケボタルの違い
また、蛍によって少し飛び回る時期も変わってきます。
ゲンジボタルが5月から7月で、ヘイケボタルは6月から8月です。
ちなみに、ゲンジボタルとヘイケボタルですが大きさと飛び方が違います。
大きさはゲンジボタルの方がヘイケボタルより大きいです。
まさに源氏と平家ですね。勝った源氏が大きく、負けた平家が小さくなっているんですね。
飛び方はゲンジボタルがゆらゆら曲がりながら飛ぶのに対して、ヘイケボタルはまっすぐに飛びます。
蛍が見られる場所ってどんなとこ?
まず人がいっぱい、車もバンバン走っているような都会ではお目にかかれません。
都会を離れ、きれいな水の川や田んぼの水面に現れます。
鑑賞するときは、明かりもなく真っ暗で、水辺の近くなので意外と肌寒いです。
見に行かれる時には、1枚上に羽織るものを持っていかれた方がいいかなと思います!
蛍が見られる時間帯は何時頃?
蛍は基本的に上の条件が揃っていると現れますが、
せっかく見に行くのなら、ゆらゆら飛んで儚く光っている時がいいですよね?
蛍には日没後1日で3回飛び回る時間帯があります。
1回目は、19時から21時ごろ。
2回目は、11時ごろ。
3回目は、2時ごろ。
蛍はだいぶ夜行性なんですね。
この中で、1番光を放ち飛び回る時間帯とされているのが、20時から21時ごろです。
蛍が光る性別はオス?メス?
蛍にもオスとメスがあるのですが、見分け方はご存知ですか?
細かい見分け方はありますが、1番わかりやすいのは大きさです。
蛍は、オスよりもメスの方が大きいんです!
そして、もう一つ。
オスもメスも両方光るんです!
ですが光り方に違いがあります。
オスは一定の間隔で光ることが多いのに対して、メスは違います。
オスの光に、たまに答えるようにメスはランダムに光ります。
蛍は夜行性なので、光り方によって自分の性別を主張しているんですね!
光る理由や意味・仕組みやタイミングは?
まず蛍のどの部分が光っているかというと、お尻の部分です。
お尻が光るなんてチャーミングですよね。
光る意味と理由
では、なぜ光るのかというと異性にアピールしているんです。
そしてその光の魅力で、異性と結ばれ子孫を残すのです。
蛍の寿命は1〜2週間と短いので、その短期間に子孫を残そうと必死に光っているんです。
ちなみに、卵のうちから光っています。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
光るタイミング
このように光る理由は異性を探すときですが、
他にも光るタイミングはあります。
刺激された時と、敵を驚かせる時です。
光る仕組み
では、どうやって蛍は光っているのかというと、
蛍の体の中にある物質が酸素と反応して光を放ちます。
この物質というのは、ルシフェリン(光の元)とルシファラーゼ(光りの手助け)です。
このルシフェリンは、個々によって若干違い、それによって光の色が変わるんです。
光が黄色やオレンジ色、薄緑色に見えるのは、このせいだったんですね。
同じように光る生き物でいえば、ウミホタルがあります。
あの幻想的な青い光も癒やされますよね。
まとめ
ここまでご覧になっていかがでしょうか?
最大でも2週間しかない命。
その寿命を全力で子孫繁栄のために捧げる蛍。感慨深いですね。
わたしも以前、蛍を見に行ったことがあります。
街灯、ネオン、車のライトの中で普段生活しているわたしにとっては、あの真っ暗な空間が少し怖くもありました。
しかし、鑑賞スポットに近づくと、無数の光がゆらゆらと飛び回るのを見て言葉を失いました。
今まで見たことのない光に感動しました。
実際、川の近くにロープがあり、川まで降りることはできなかったのですが、
蛍がわたしの方に飛んできてくれたのです。安心する光でした。
みなさんが、ゆらゆらときれいな水面を飛び回る蛍を見られる手助けになればいいなと思います。
さびしがりやのほたる(The Very Lonely Firefly)
エリックカールの絵本、「さびしがりやのほたる」
最後のページに仕掛けがあって、とてもきれいで大好きな絵本です。
我が家にあるのは、こちらの英語版です。
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