六曜の一つ、「赤口」。
「大安」や「仏滅」、「友引」まではわかるけど、「先勝」「先負」「赤口」はよくわからないという方が大半だと思います。
それでも「先勝」「先負」は「先」に「勝ち負け」が付くので、推測はできますね。
それに比べて「赤口」は「赤い口」なので、よくわからないですね。
今回はそんな「赤口」について取り上げてみました。
「赤口」の読み方
まずは「赤口」の読み方です。
しゃっこう・しゃっく・じゃっこう・じゃっく・せきぐち・あかくち
大体は、「しゃっこう」か「しゃっく」と読むそうです。
私はずっと「しゃっこう」と読んでいました。
辞書によって「しゃっく(しゃっこう)」となっていたり、逆に「しゃっこう(しゃっく)」となっていたりします。
「じゃっこう」や「せきぐち」は、あまり言わない言い方のようですね。
ちなみに、私のIMEでは「しゃっこう」のみ変換されました。
六曜の読み方は、他の「先勝」や「先負」でもいろいろありました。
結構自由ですよね。
「じゃっく」や「せきぐち」なんて口で言われると、「赤口」の事だとはピンときませんね。
「赤口」の意味
「大安」は良い日、「仏滅」は悪い日、「先勝」は午前中は良い日、「先負」は午前中は悪い日、「友引」は友を連れて行っちゃう日(??)。
世間一般的な位置づけはこんな感じでしょうか。
では、「赤口」はどんな日でしょう?
「赤い口」というと、私は赤ちゃんが大きな口で泣いている様子を思い浮かべます。
そういえば、カッコウのヒナも大きな赤い口で、それを見せられると親鳥は本能的にえさをやりたくなってしまうそうです。
托卵される側のオオヨシキリも口の中がとても赤いですね。
ああなんだか、「赤口」って縁起が良い日のような気がしてきました。
さて、お待ちかねの「赤口」の意味ですが……
凶日でした…!!
「赤口」はあらゆる物事において不吉とされています。
特に「赤」が関係する物、火の元や刃物(血!?)には特に要注意とされています。
ひいい…!
急に「赤口」の「赤」が怖いイメージになりましたね!!
かわいい赤ちゃんやヒナの口のイメージが、鬼が大きな口を開けている様子や、地獄の窯に見えてきました。
「赤口」は「赤舌日(しゃくぜつにち)」とも呼ばれます。
閻魔大王様に舌を抜かれそうな日ですね!
ますます恐ろしいです。
陰陽道で、赤舌神が六人の鬼に順番に門版を差せるのですが、この日は羅刹という鬼神が守護する日が、赤舌日と言われています。
羅刹という鬼神はとても恐ろしく、人々を不幸にするので、凶日として忌み嫌われていました。
あまり有名ではないのに、かなり気合の入った怖い日だったんですね……。
正午のみ吉?
赤口は凶日とされていますが、正午のみ吉とも言われています。
正午の一瞬ではなく、だいたい一時(いっとき)である2時間くらいが目安でしょう。
つまり、午前11時~午後1時くらいの間のみ、吉とされています。
これで思い出すのが「友引」です。
友引は逆に正午のみ凶でした。
「赤口」と「友引」は、「先勝」と「先負」のように裏表になっているんですね。
仏滅と赤口、どちらが縁起悪いの?
普通は、「仏も滅する日」である「仏滅」が、一番最悪の日だという認識だと思います。
ですが、こうしてみると、「赤口」もなかなかの凶日です。
なにしろ「人を惑わし喰らう」という羅刹の日でもあるんですからね。
調べてみると、「仏滅」の方が凶という人もいれば、「赤口」こそが六曜中一番の凶日という人もいます。
仏滅は、万事凶とされていますが、「物滅」とも言われ、「物事を新たに始めるにはとても良い」という考え方があります。
ですから心機一転して物事にあたるときには、かえって良い日なんですね。
一方「赤口」ですが、こちらも万事凶とされています。
ですが、正午のみは吉とされているので、その時間だけなら凶日とは言えません。
どちらも少し良い面があるんですね。
以前、別の記事で
「大安 → 友引 → 先勝 → 先負 → 赤口 → 仏滅」
の順に縁起が良いと書きました。
この順番だとペアになるんですよ。
一番左と右・二番目に左と二番目に右・真ん中二つ
「大安・仏滅」「友引・赤口」「先勝・先負」
「大安=最も良い日・仏滅=最も悪い日」
「友引=お昼だけ凶・赤口=お昼だけ吉」
「先勝=午前中は吉・先負=午後は吉」
まあ、そんな理由で、
「大安 → 友引 → 先勝 → 先負 → 赤口 → 仏滅」
がきれいかなって思います。
赤口の日に入籍は?
赤口に入籍届を出すのはどうでしょうか?
縁起を気にするのでしたら、赤口の日は止めた方が良いでしょう。
羅刹が支配する日なので、お祝い事には向いていません。
特に祝い事は大凶だと言われています。
でもこの日しかない!ということならば、午前11時~午後1時の時間帯に出すと良いでしょう。
もし仏滅か赤口どちらがいい?ということならば、仏滅の方が「物事を新たに始めるの日良い日」なので良いでしょう。
赤口の日に結婚は?
赤口はお祝い事には向かない日なので、結婚式も縁起を気にするのなら向きません。
午前11時~午後1時は吉とされているので、その時間帯なら良いですが、そういうわけにもいかないでしょう。
ただ、仏滅と違い、「赤口」はメジャーな凶日ではないので、参列者の方も気にする人はほとんどいないでしょう。
式場の料金割引も、仏滅と違って特別無いと思われます。
ですから、本人が気にしなければ誰も気にしないと思います。
赤口の日に七五三は?
七五三はどうでしょうか。
六曜は神社と関係は無いので、神社側で「控えるように」とは言われません。
あとは、参拝する方の気の持ちようですね。
赤口の日にお参りするのは、縁起が悪いと思うのなら止めた方が良いでしょう。
午前11時~午後1時の間にささっとお参りするという方法もありますが、お昼時だし、お子さんもお腹がすく時間ですね。
神社の予約もありますし、なかなか上手く行かないかもしれません。
赤口の日にお宮参りは?
七五三と同様、六曜は神道と関係は無いので、赤口でも仏滅でも控える必要はありません。
ただ、やはり気になると気分よくお祝いできませんね。
そうでしたら、他の日にする方が良いと思います。
赤口の日に納車は?
赤口は「火や怪我に注意する日」です。
車にとって「火や怪我」というのは、不吉な気がします。
縁起を気にするのであれば、赤口の日は止めた方が良いでしょう。
もし11時~午後1時に納車できるのであれば、大丈夫です。
赤口や仏滅の日に納車して、後々気になるというのであれば、お祓いしてもらうのもよいですね。
赤口の日に法事や葬式は?
赤口の日は「赤」から、血や刃物など「死」を連想させるものが凶とされています。
まさしく、葬儀は「死」そのものなのですが、赤口の日に葬儀や法事は行っても良いのでしょうか?
結論から言いますと、大丈夫です。
六曜は、そもそも仏教に影響を与えていません。
「友引」は、「死んだ者が友を連れて行く」という迷信により忌み嫌われていますが、赤口には特別そういうものはありません。
葬儀も法事も気にしないで行いましょう。
赤口の日に引っ越しは?
赤口の日に引っ越しも、縁起を考えるのなら良くない日取りです。
引っ越しは一日仕事なので、午前11時~午後1時に終わらせるというのは不可能と言っていいでしょう。
大事な荷物だけでも、この時間帯に運べると良いですね。
希望の時間帯に事を運べるよう、引っ越しは複数見積もりをした方がよいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「赤口」は六曜の中でもかなり縁起の悪い日だったんですね。
普通に暮らしていると、カレンダーを見た時に「大安」「仏滅」しか目に入らないので、特別気にしませんね。
まあ、そのまま気にしなくても良いかなって思います。
六曜なんて、機械的に回ってくるだけなので、吉凶はほとんど関係ありません。
何事も気の持ちようです。
赤口の日も、元気に大きな赤い口を開けて張り切って過ごしましょう!
この記事を書いていて改めて思ったのですが、「赤は命の色」ですね。
あわせてこちらもどうぞ
土用
六曜より、土用の方が重要なのではないかと思います。
冬土用・春土用・夏土用・秋土用がまとめてあるので、ぜひご覧ください。
土用とは、新しいことや土木工事、結婚、旅行などをしない方がよい期間です。
しても大丈夫な「間日」という日もあって、毎年変わります。