童謡「鬼のパンツは良いパンツ~」、歌えますか?
この歌には元歌があります。つまり替え歌で、しかも地域や時代によって歌詞が変わったり二番があったりなかったりとなかなか歌詞の定まらない歌のようです。
そこで今回は、童謡「鬼のパンツ」の歌詞や原曲に注目して、紹介していきます。
「鬼のパンツ」とは?
鬼のパンツって、トランクスのイメージが強くないですか?
絵本やアニメからそう感じるのかもしれませんが、いまさらブリーフやボクサーパンツに変えられても、脳が対応できないかもしれません…。
さらに、そのパンツの柄は、何となくトラ模様。
歌詞にも「♪トラの毛皮でできている~」とありますね。(無いバージョンもあるようですが…)
なぜ鬼のパンツはトラ柄なの?
なぜトラ柄か、調べると「陰陽道」が関わっている、という説が強いようです。
陰陽道には「鬼門」と呼ばれる方角があります。それが、北東。
そして北東は十二支で表すと、丑(うし)と寅(とら)の間です。
鎌倉までは鬼はただ『不気味なもの』のイメージでしたが、それ以降に鬼は「鬼門」になぞらえ『丑の角に寅の毛皮をまとう』という、現代に通じる姿が描かれるようになりました。
さて、トラのパンツは良いとして…私のイメージでは角もトラ柄ですが、この説ならウシ柄の角もありですね。
原曲は「フニクリフニクラ」
すっかり「鬼」のイメージで定着しているこの歌ですが、原曲は、なんと「鉄道」の歌です。
原曲は1880年にイタリアで作られました。
題名が「フニクリフニクラ」。
なんともユニークな響きです。
この歌は、実は世界最古のコマーシャルソングです。
何のコマーシャルかと言えば、「鉄道」。
当時、イタリアのヴェスヴィオ山に登山鉄道が作られたのですが、知名度が低いために利用者が思ったより伸びなかったそうです。そこで宣伝ソングとして作られたのがこの曲。
「フニクリフニクラ」とは、イタリア語で登山鉄道をあらわす「フニコラール」をもじった愛称です。
「♪フニクリ フニクラ~」→「♪とざん~ てつど~」といったところでしょうか?
ちなみにその登山鉄道が現在どうなっているかというと…調べたところ残念ながら運航していないようです。
実は1944年にヴェスヴィオ山が噴火し、破壊されてしまったようです…。
予想の上をいく、規模の大きな運航終了理由でした。
鬼のパンツ、2番・3番・・・
「鬼のパンツ」の作詞家は、JASRACでは不詳となっていますが、一説にはNHK『おかあさんといっしょ』の初代歌のお兄さん「田中星児」さんとも言われています。
作詞家がいまいちはっきりしないだけあって、「鬼のパンツ」はなかなかユニークな歌詞がたくさん派生しています。
それを替え歌と認識されていたり、2番や3番として発表していることもあるようです。
3つ、紹介します。
君のパンツ
♪きみのパンツはダメパンツ 弱いぞ 弱いぞ
5分はいたら破けちゃう 弱いぞ 弱いぞ
よれよれのパンツを思い浮かべてしまいました…。
2番の歌詞候補としてはこれが一番有名だそうで、カラオケでこの歌詞が出るところもあるとか。幼稚園児あたり、すごい好きそうな歌詞ですね。
トラのパンツ
♪トラのパンツは良いパンツ しなやか しなやか
ウサギの毛皮でできている しなやか しなやか
鬼のパンツに使われているトラはウサギの毛皮のパンツをはいている、という、弱肉強食を感じさせる歌詞です。
うさぎのパンツ
♪ウサギのパンツは良いパンツ しなやか しなやか
白いシルクでできている しなやか しなやか
草食動物であるウサギのパンツは、なんとシルク!個人的にはこのパンツが一番欲しいです。綿や化繊とはき心地が違うのでしょうか…。
まとめ
鬼のパンツはものすごく柔軟性のある歌詞によって慕われている、子供に鉄板の歌だな、という印象を受けました。
子供はパンツとか、シモ関係の話には目を輝かせて食いついてきますから。
鬼自体も、怖かったり、親しみやすかったりと、柔軟な生物(!?)かもしれません。

僕のパンツはいいパンツ♪