「手土産」「お土産」「おもたせ」、
普段何気なく使っている言葉ですがそれぞれ意味が異なるのをご存知でしょうか?
「お土産」を持って友人宅に訪問する、とは言いますが、
では「手土産」「おもたせ」はどんな時に、どんな人に対して使い分けたらいいのでしょう。
手土産・お土産・お持たせの違い
どれも似たような意味にとらえられそうですが、使う目的が異なってきます。
3つの違いについてみてみましょう。
手土産
何気なく使っている手土産という言葉ですが、手土産とはどのような物を指すのでしょうか。
知人や親戚、友人達のお宅へ訪問することになった際、
感謝の気持ちで用意した品物(進物)を持っていきます。
訪問先の人に渡す、その品物のことを手土産と言います。
簡単に言うと人を訪問するときに持参していく、ちょっとした贈り物のこと。
お土産と似ている言葉ですが、渡す意味が少し違うので間違えないよう要点を抑えましょう。
訪問先に持参する品物(進物)では自分が住んでいる土地にちなむ物や雑貨、食料品などいろいろあります。
自分で生産したお野菜や農産物、手作りのお菓子なども手土産には最適ではないでしょうか。
ちょっとしたものとは言っても心がこもった贈り物は嬉しいですね。
お土産
手土産がちょっとした物であるなら、お土産とはどのようなものを指すのでしょうか?
自分が旅行に行った際に友人や同僚たちに配る目的で購入する品物(進物)のことを言います。
旅行で行った際に購入した品物のことを指しますので、プレゼント感覚で渡すものです。
ご当地ならではの有名な食べ物や、伝統工芸品、グッズ類などを渡すのが一般的です。
「土産話」と言うフレーズも聞きますが、旅先で見聞きした出来事や体験などを話して聞かせることをいいます。
お土産と一緒に旅先での思い出話を添えてあげるのも、気持ちが込もりますね。
おもたせ
意外と知られていないのが、「手土産」と「おもたせ」の意味の違いではないでしょうか。
手土産を持って行った贈り物のことを指すのに対して、
おもたせは貰った方がその品物に対して言う時の言葉です。
要するに「お持ちいただいたもの」という意味です。
お客様が持ってきてくださった手土産が飲食物だった際、そのお客様にお出しするときに、
「おもたせで失礼ですが…」
「おもたせで恐縮ですが…」
と一言添えるように使います。
この使い方を知っておくと、常識のある人からはきちんとした人だな、と見られるので覚えておくといいでしょう。
POINT「おもたせ」はいただいた側が、お客様にお出しするときに使う
手土産やお土産を選ぶポイント
手土産やお土産、送る理由は様々ですが、せっかくあげるなら喜んでもらえるものを用意したいものです。
手土産を持っていくからには自分がおいしいものをお勧めしたいという気持ちがこもるのではないでしょうか。
そこで持参した手土産を相手と一緒に頂くひと時は美味しさを分かち合えて嬉しいですね。
ポイントとなるのは相手の好みや量が適切かどうか、
保存方法(要冷蔵など)はどうなのか、喜んでもらえる物なのかチェックすべき点です。
お土産選びも楽しい反面、難しいですよね。
渡す相手や状況は様々ですので、一言でお土産と言っても相手の立場になって考えてみる必要があります。
○その土地でしか手に入らない名産物を選ぶ
その土地でしか手に入らないものは、珍しいものとして喜ばれますし、
「ここにこんなおいしいものがあったなんて、知らなかった~」なんてお土産をきっかけに会話もはずむでしょう。
○渡す相手にいつ会えるか考えてみよう
いくら美味しいものとはいってもいつ会えるかによって、
生ものを買っていくかしばらくは持つものかで買っていく物が違ってきます。
賞味期限も考えて併せて選ぶことが大切です。
○ありきたりを避けよう
駅や百貨店などお土産を買う場所が思い浮かびますね。
たくさんの種類が用意してあるので選ぶのには便利です。
それも悪くはないのですが、結構よくもらうものだったりします。
旅先ではその地域のブランドになるものを探すのはどうでしょう。
各地の名産物のお土産は有名になるくらい優れたものなので最適です。
その地域のスーパー、口コミで有名なお店、産直や道の駅に立ち寄ってみてください。
普段買えないようなものが揃っているので、贈り物として受け取ると満足度が高いそうですよ。
手土産やお土産を渡す時に失敗しないマナー
せっかくの手土産やお土産だから、渡し方にも気を配りたいですね。
渡すタイミング
○基本的なマナーは部屋に入ってきちんと挨拶が済んでから渡すものです。
もちろん日常的な挨拶で玄関先で失礼する場合にも、挨拶が終わった後に玄関先で渡しましょう。
○取引先へ訪問した時は応接室に通されて名刺交換など挨拶を済ませ、
椅子に腰かけ時が渡すチャンスです。
部屋に入っていきなり渡してしまっては挨拶が済むまで先方がずっと手土産を持つことになり、邪魔になってしまいます。
落ち着いてから渡すことを心がけましょう。
紙袋、風呂敷のマナーについて
紙袋や風呂敷は、手土産がホコリなどの汚れが付着しないよう持ち運ぶときに使います。
正式には風呂敷を使用したいものですが、ビジネスの場では紙袋でも問題ないでしょう。
渡す際には紙袋や風呂敷から品物だけ出して渡します。
もちろんのしや絵柄が描かれているものならば正しく見られるように相手に正面を向けて渡します。
品物が渡せたら、紙袋や風呂敷はもう用済みですので素早く折りたたんでバッグにしまいます。
紙袋ごと渡しがちですが、あくまで塵除けとしての道具なのでそのまま相手に渡してしまうのは失礼に当たります。
ビジネスシーンによってはこの限りではありません。
相手が品物を持って電車や飛行機に乗って帰るときは、持ち運ぶのに紙袋があると助かります。
その時は紙袋の持ち手の付け根部分と底に手を添えて「紙袋のままで失礼します。」と一言添えるといいでしょう。
訪問先と、渡す相手によって状況が変わってきますので対応を考えることも大切です。
品物を渡すときに添える言葉
手土産を渡すときの言葉で「つまらないものですが」と一言添えて渡すイメージがありますね。
謙遜の表現として使われますが、最近ではあまり使われなくなってきています。
比較的年齢の高い人が使われるに留まっているようです。
一言添えるならば、相手への気配りが感じられるような表現を使いたいものです。
「お口にあいますかどうか」「お気に召すといいのですが」などへりくだりすぎないような言葉かけが控えめな感じで好まれます。
まとめ
手土産・・・お土産・おもたせの違い
手土産・・・人を訪問するときに持参していく、ちょっとした贈り物のこと。
お土産・・・旅行に行った際に友人や同僚たちに配る目的で購入する品物(進物)
おもたせ・・貰った方がその品物に対して言う。「お持ちいただいたもの」
送る側も受け取る側も嬉しい手土産・お土産ですが、
選び方や渡し方に気を配ると相手に人柄が分かってもらえてさらに喜んでもらえると思います。
併せてマナーもきちんと心がけておくと失礼にならないので、基本的なマナーは押さえておきましょう。
正しい渡し方で、大切な人に喜んでもらえると嬉しいですね。
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