雨が降り始める前に、雨の匂いがして、もうそろそろ降り始めるのかな?
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
わたしもその中の1人です。
そして夏の暑い日に、雨の匂いがすると心のどこかでホッとします。
そんな雨の匂いって具体的には、どんな匂いですか?
言葉で言い表すのは難しいですよね。
でも、雨の匂いの正体は、化学物質でちゃんとした名称があったのです!
今回は、そんな雨の匂いの正体について調べてみました。
雨の匂い、わかりますか?
雨自体は、水と同じなので匂いがすることはありませんよね。
では、わたしたちが思う「雨の匂い」とは一体どんな匂いのことなのでしょうか?
よく耳にする雨の匂いは、「土が湿った匂い」や「アスファルトが湿った匂い」です。
つまり雨自体の匂いではなく、雨が降ったことによって起こる現象の匂いだったのです。
これは、環境によっても変化します。
田舎の方へ行くと、自然が多いため雨の匂いと言われると、
「土の湿った匂い」を想像する方が多いです。
それに対して、都会の方へ行くと、ビルが多いため同じ質問をすると
「アスファルトの湿った匂い」を想像する方が多いのです。
または、雨の匂いがわからない方も多くいるみたいです。
ちなみに、海の近くの場合は、雨の匂いと言われると、潮の匂いを想像する方もいるそうです。
雨が降る前の匂いは「ペトリコール」
そんな雨の匂いの正体は、実は雨が降る前と降った後では、
違う物質によって引き起こされる匂いだったのです。
まず、雨が降る前の匂いの正体からご説明します。
雨が降る前の匂いの正体の名前は「ペトリコール」といいます。
この名前、初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
このペトリコールという物質は、植物が土に分泌している物質なのです。
周囲の湿度が高くなると、植物はこのペトリコールという物質を分泌し始めます。
その時に、あの雨が降りそうな匂いが放出されるのです。
そのため、雨が降りそうではない時は、この匂いが放出されることはないのです。
そして、雨が降るとペトリコールは流されてしまうため、
ペトリコールの匂いが放出されるのは、雨が降る前だけなのです。
雨が降る前の匂いは、短い間しか嗅ぐことのできない貴重な香りだったのですね。
雨上がりの匂いは「ジオスミン」または「ゲオスミン」
では、次に雨上がりの匂いの正体についてご説明します。
雨上がりの匂いの正体の名前は「ジオスミン」といいます。
または「ゲオスミン」と呼ばれることもありますが、同じ物質です。
ジオスミンはギリシャ語で「大地の匂い」という意味があります。
この言葉からもわかるとおり、ジオスミンは土から放出される匂いなのです。
しかし、ペトリコールと違う点は、雨が降り地面を湿らすことによって
より匂いの元が活性化することです。
土の中にいる微生物が作り出しているジオスミンが、雨が降って地面が湿ることで
一気に放出されるのです。
そのため土がない、または少ない都会では
アスファルトからはジオスミンが発生しないため、この匂いを嗅ぐことは難しいのです。
そして実は、このジオスミンの匂いは、下水道から発生するカビの匂い成分と同じだったのです
あの風情がある匂いが、カビの匂いだったとは…。衝撃的な事実ですよね。
干した布団からする「おひさまの匂い」がダニの死体の匂いだったという事を知ったときのような驚きです。
雨の匂いの香水
雨の匂いのする香水があったら素敵ですね。
といっても、ペトリコールやジオスミンの匂いではなく、雨を想起させるようなしっとりとした趣のある匂い。
そんな「雨の匂いの香水」を探してみました。