一つの物が地域や時代によって違う呼び名で呼ばれることがありますよね。
例えば「おはぎ」と「ぼたもち」。お彼岸に食べる同じお餅ですが、春と秋で呼び名が違います。
では、「よもぎ餅」と「草餅」はどうでしょう?「よもぎ」も「草」だから、同じもの?それとも!?
今回はそんな「よもぎ餅」と「草餅」について、いろいろ調べてみました。
草餅とよもぎ餅は同じ?
結論から言えば、『現在』の「草餅」と「よもぎ餅」は同じものです。
『現在』としたのは、昔は違うものだったから。
まず、「草餅」の歴史は平安時代までさかのぼります。
平安時代では春の七草のひとつ、御形(ごぎょう)を使って「草餅」を作っていたようです。
御形は平安時代、「ハハコグサ(母子草)」と呼ばれ、薬草としても使われていました。
薬草と聞くと何だか苦そうですが、春の七草のひとつなのでそうもないのかな?
その後江戸時代になって「ハハコグサ」の名前に物言いが付きます。「母と子を一緒に搗く(つく)」のは縁起が悪い、という、私には想像もつかない理由です。
こうして、ハハコグサの使用は次第に控えられていきます。代わりに使用されるようになったのが「よもぎ」です。
よもぎが代わりに使われるようになった理由としては、もともと中国で「寿命が延びる草」とされて縁起がいいことからハハコグサから変わったとする説が有力のようです。
名前一つにもこだわりを持つ、まるで子供の命名のようだな、と思いました。
よもぎアレルギーの人がよもぎ餅を食べても大丈夫?
秋の花粉症の原因の一つに、よもぎがあります。
よもぎアレルギーの人はよもぎの花粉が飛散している場所に行くと、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど、春の花粉症と同じ症状が起こってしまいます。
注意する時期は8月から10月で、注意する場所は公園や河川敷などよもぎが生えている場所です。
ただ、杉などの木とは違って花粉が飛ぶ距離が短いので、近くに行かなければ症状はひどくなりません。
よもぎアレルギーの人は、秋の河川敷のお散歩は我慢してください!
よもぎの花粉にアレルギーのある人は、もちろんよもぎを食べることもNGです。
残念ながらよもぎ餅も同様です。
また、よもぎエキスの入った化粧水など、直接口にしなくても触れることでアレルギーを発症します。気を付けてください!
よもぎにアレルギーがあるかどうかはアレルギー科や皮膚科で検査をしてもらうことができます。
「ちょっと気になる」人は受診して、薬など適切な処置をしてもらうことをお勧めします。
よもぎ以外の材料で、草餅は作れる?
もともと草餅は、よもぎでない草で作られていました。
今でもよもぎ以外で作ることがあるそうですが、その場合は、名前が「よもぎ餅」から「草餅」になりますね。
手に入りやすい材料でもできるので、よもぎアレルギーの人でも安心して食べられる草餅が作れます。
春菊
春菊を茹でて細かく刻み、白玉粉・水と一緒にこねて団子にします。
分量は茹でた春菊と白玉粉の重量が1対2で、水は耳たぶくらいの柔らかさになるまで入れて下さい。沸騰したお湯でゆでて出来上がりです。
よもぎ餅よりちょっと風味が落ちますが、きなこや小豆を添えれば問題なしです。
明日葉
伊豆諸島でよくとれる、生命力の強い葉っぱ、明日葉。
今日摘んでも明日には新しい葉が出ることからこの名前が付いたようです。
昔熱海に行った時に明日葉のてんぷらをいただきましたが、苦みのおいしい葉っぱでした。
この葉も草餅に利用できるそうですが、私は食べたことがありません。
ちょっと苦みのある団子になるそうですよ。
小松菜
春菊と同じように作ります。色はきれいに出ますが、香りが少し寂しいです。
きなこや小豆などと一緒に食べると気になりません。
草餅は気軽に楽しめます。ぜひお子様と春を感じてください。
まとめ
草餅とよもぎ餅についてまとめました。
よもぎは和風ハーブと言われるだけあって香りが良いですね。
春を感じるよもぎ餅ですが、アレルギーなどでお困りの方や、手作りしたいけどよもぎの入手が難しい人は、手作り草餅にも挑戦してみてください。