「半殺し・皆殺し・手打ちにしようか」……おはぎとぼたもちの話です。

「半殺し・皆殺し・手打ちにしようか」……おはぎとぼたもちの話です。

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事件ですにゃ!!

お彼岸に食べるアレといえば…おはぎですか?それともぼたもち?

呼び名がちがいますが、近所のスーパーではまとめて「おはぎ」として売っています。

皆さんのお住まいのスーパーや和菓子屋さんでは、どうですか?

今回は「おはぎ」のお話です。「ぼたもち」との違いや、「半殺し・皆殺し・手打ち」と「おはぎ」の物騒な関係(!?)について、紹介します。

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おはぎとぼたもちの違い

年に2回ある、ご先祖様にご挨拶をする期間といえば彼岸ですね。

お彼岸は秋分と春分の日を中心に、前後3日間ずつを足した7日間を指します。

このお彼岸の時にお供えするのが、「おはぎ」「ぼたもち」です。

それぞれ、おはぎは9月、ぼたもちは3月にお供えしますが、違いがわかりますか?
じつは…同じものなんです!

おはぎは漢字で、「御萩」と書きます。

そしてぼたもちは「牡丹餅」と書きます。

それぞれ萩と牡丹の花が咲く季節だから、この名がついたと言われ、モノ自体はおなじだそうです。
なかなかストレートですね。

おはぎとぼたもち、若干のちがいもあるようです

基本的には同じモノを指す「おはぎ」と「ぼたもち」ですが、地域によっては若干の差別化をするようです。

例えば、「おはぎ」は萩の花をイメージして俵型に作られるのに対して、「ぼたもち」は牡丹の大輪の花をイメージして大きく豪華に作られるようです。

また以前は、小豆の収穫が秋であることから、あんこにちがいがありました。

秋に食べる「おはぎ」のあんは、小豆の皮が柔らかいために粒あん。

対して春に食べる「ぼたもち」は、秋に収穫した小豆であんを作るため硬い皮を取り除くので、こしあんを使用していました。

ところが今は品種改良などがすすみ、春になっても皮が柔らかい小豆が出回るようになり、季節によるこしあんと粒あんの違いはなくなったようです。

スーパーでは季節を問わず「おはぎ」の名で売っていることが多い印象ですが、やはり春のお彼岸には「ぼたもち」と胸を張って呼びたいものです。

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半殺し・皆殺し・手打ちとは??

「おはぎ」「ぼたもち」は江戸時代から日本人に親しまれていました。

そのため、「おはぎ」にまつわる昔話や落語の演目が各地に残っています。

その中でも有名な「おとぎ話」ならぬ「おはぎ話」(!?)をご紹介しますね。

半殺し騒動

遠方からのお客様を迎えたある宿屋の夫婦が、もてなしのために相談をしていました。

「明日は半殺しにしようか?」「いいえ、皆殺しが良いでしょう」

その会話を盗み聞ぎしてしまった客人は慌てふためき、逃げ出してしまう、というお話です。

このお話のオチは、「半殺しと皆殺しは、じつはおはぎのもち米の状態だった」です!

半殺しはご飯のぶつぶつが残るように作られた「おはぎ」。

皆殺しはご飯のつぶつぶがないくらいつぶされた「おはぎ」。

つまり、『宿屋の夫婦がどちらのおはぎでもてなそうかと話し合っているのを勘違いした客人』、という笑い話でした。

別の昔話では、客人は逃げ出すことなくおびえて一晩過ごし、翌日、朝食に「半殺し」が出されて拍子抜けした、というオチもあるようです。

似た話で、「半殺しにしようか」「手打ちにしようか」と夫婦が話し合う話もあります。

この「手打ち」は、「手打ちそば」または「手打ちうどん」のこと。う~ん、紛らわしい。

残念ながらこの「おはぎ話」、私の文章では微妙なおかしさが伝わりにくいですが、きっと落語家さんが上手にお話しすると大爆笑うけあいなのでしょう。

プロですから!

まとめ

考えてみると、亡くなったご先祖をしのぶお彼岸なのに、そこで食べる「おはぎ」には「半殺し」だの「皆殺し」だのとずいぶんと物騒な呼び名が付いたものですね…。

江戸時代の人たちは、「生きること死ぬこと」に関してあっけらかん、としていたのかもしれません。

なにせ、物騒な言葉を笑いに変えてしまうだけのバワーを持っていたのですから。

半殺しにしました。

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