11月10日がなんの日かご存知でしょうか?
11月10日は、「無電柱化の日」とされているのです。
無電柱化?どういうこと?電柱を無くすの?
無電柱化とは、地上にある配電線や電柱を地中に埋めて、安全で美しい景観を保つことです。
実は、ヨーロッパの主要都市では無電柱化率が100%なのに対して
日本の首都である東京では、無電柱化率がわずか8%にとどまっています。
なぜヨーロッパでこれほどまでに無電柱化が進んでいるのかというとメリットが多いからです。
そのメリットの1つと言われているのが、「災害に強い」ということです。
今回はそんな無電柱化についてまとめてみました。
地震の時、電柱が凶器に!?
日本は災害大国と言われているほど、災害が多いです。
その中でも地震は、頻繁に発生しています。
そんな地震が発生した時に、電柱が凶器になるってご存知ですか?
電柱は、なかなか倒れたり、折れたりしないように作られていますが
震度6で電柱は倒れ、震度7で電柱は確実に倒壊すると言われています。
もし電柱が倒れてしまうと、通電している場合は、そこから火花が飛び散ることもあります。
この火花が火災の原因になる場合もあります。
実際に東日本大震災では、津波の時に倒れた電柱の電線に引っかかり
凶器となったこともありました。
他にも、阪神淡路大震災では、倒れた電柱が道路を塞ぎ
物資の輸送や緊急車両の走行に支障を与えたり
熊本地震では、倒壊した電柱は244本あり、傾いた電柱は4,091本もありました。
無電柱は復旧に時間がかかる?かからない?
ここまで読むと、無電柱化を進めた方が良い理由がお分かりいただけたと思います。
しかし、地中に電線が埋まっていることで
復旧に時間がかかるのでは?とお思いの方もいらっしゃると思います。
実は、無電柱化すると電線の復旧に時間はかかりません。
その理由としては、地中にあることで断線する可能性が低いからです。
というのも、事前に地震に備えて、少々傾いても断線することがないように作られているのです。
実際に東日本大震災の時に、無電柱化している東京のエリアでは
大きな断線な被害はなかったそうです。
また復旧だけでなく、普段の点検業務にかかる時間も削減できると考えられています。
地上に電線がある場合は、高所作業車を呼んで、車道を通行止めし、ガードマンを配置するなど
様々な作業が必要になります。
しかし、地中に電線があれば、これらは必要なく
作業者が所定の入り口から入り点検することができます。
点検業務に時間がかからない上に、車両の通行にも影響がないのは嬉しいですよね。
無電柱のコスト
無電柱にしようとした場合に、気になるのがコストですよね。
結論、地上に建てるのよりコストはかかります。
場所によって差はありますが、約10〜20倍ほど高くなるそうです。
なんと1kmにかかる工事費は、推定5.3億円すると言われています。
これだけコストがかかる理由としては、広範囲に渡って道路を掘り返すからです。
地中には、水道管もガス管も通っているため、時間も手間もかかります。
しかし、交通量の少ない道路では、掘る深さを浅くしたり
地上に設置する機器を小型化することで、コストダウンできると言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
無電柱化についてお分かりいただけましたでしょうか?
今回の内容をカンタンにまとめると…
・電柱は倒壊した時に、凶器になる場合がある。
・無電柱化によって、復旧や点検作業にかかる時間は削減できる。
・デメリットとしては、無電柱化することで
地上に電柱を建てるよりも10〜20倍のコストがかかるが、コストダウンできる余地はある。
災害時にやはり1番優先されるのは、人命です。
そして人命救助に1番大切なのは、迅速な対応です。
地上に電柱が倒れていたら、迅速な対応が妨げられてしまいますよね。
そうならないためにも、無電柱化が進むと良いですね。
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