お盆休みと言えば、わたしは小さい頃からお仏壇やお墓をきれいにして、迎え火を焚いて、お経を読んで、親戚が集まって、送り火を焚いてと平々凡々と過ごしていました。
しかしお年頃になると、親戚の集まりより友達との集まりに重きを置き、
お盆を友達と過ごすこともありました。
そんな時、よく祖母から「海は絶対に行ってはダメ」と言われていました。
その時は、なにも深く考えていませんでしたが、実はそこには怖い迷信があったのです。
お盆の時期は、霊が水辺に引きずり込もうとしているから…
お盆の時期になると、海や行ってはダメとよく耳にしますが、一体どうしてダメなのでしょうか。
実はこんな迷信があったのです。
お盆に海に入ると、霊に足をひっぱられる…
古くから日本では「お盆の間は、地獄の蓋が開く」と言われていました。
もうこの時点で、かなり怖いです…。
もともと水辺には霊が集まりやすいと言われ、地獄の蓋が開いた日には、
もともと集まりやすい場所にさらに霊が集まるので、すごいことになりますよね。
さらに、この霊たちには、仏壇やお墓がないことが多く、この世に来たのはいいけど
帰るところがないという状態で、水辺をさまよっているのです。
しかし、お盆の期間の最後の方にはあの世に帰らなければなりません。
ちゃんとお出迎えしてもらえていないので、寂しくなってしまい
海にいる生きている人を、あの世へ一緒につれて帰ろうとするのです。
その時に、足が引きずり込まれると言われているのです。
そもそもお盆というのは、あの世へ行ってしまったご先祖様に家に帰ってきてもらう期間です。
せっかくご先祖様が帰ってきてくれる期間に、外出するなんて非常識な!ということで
家で過ごしてもらいたくこの迷信が広まったとも言われています。
科学的な理由がある!
しかし、この「お盆に海に入ってはいけない」という迷信には、科学的な理由が3つあったのです!
1.土用波の発生
2.クラゲの大量発生
3.海水温の低下
土用波が発生するから
土用波とは、海水浴場などの遠浅な海で急に発生する高い波のことです。
高さはなんと通常の波の2から3倍もあると言われています!
土用波は、台風のうねりの影響を受けて発生する波です。
この影響力はすごく、台風から1500から2000km離れた海岸にも土用波は発生します。
台風がお盆の時期に発生することが多いので、自ずとお盆期間中の土用波の発生も増えます。
この土用波は、スピードも速いので、波が引く時に膝下くらいの高さでも足を引っ張られ立っていられないほどです。
クラゲが大量発生するから
海に行くとクラゲは付きものですが、8月あたりから発生率が高くなります。
沖の方で生息していたクラゲが、土用波の影響をうけて、
浅瀬まで打ち寄せられることがあります。
クラゲには種類が様々あり、その種類によって毒の対処方法も変わってくるので
素人だけで海に行って、クラゲに刺されたら大変なことになります。
最悪の場合、命に関わることもあります。
水温が低下するから
お盆のあたりから、海水の温度は低下し始めます。
気温は高いのに、水温が低いという状態になることによって
体が思うように動かなかったり、心臓麻痺が怒ったりします。
なので、水温がいつもと同じなら少し波に流されても対応できるけど、
水温が低いが故に、体の運動機能が低下して溺れてしまうケースもあります。
迷信も、昔の人の知恵かも
昔は今みたいに水温の変化や、クラゲの生息、波の性質について調べることは難しかったかもしれません。
しかし、お盆の時期は通常よりも水難事故が多く発生していたのは確かだったので
知恵を出してこの迷信を広めたのかもしれません。
実際に数字で見てみると、お盆の時期の水難事故数は、通常の時期と比べて
3倍以上も発生しています。
この数字を見ると、昔の人がなんとかしてお盆に海へ行かせないようにしたのも納得です。
まとめ
今までは海水浴の話をしてきましたが、実は釣りも避けた方がいいです。
お盆は「不殺生戒」の期間で、精進料理を食べます。
精進料理は、肉や魚を使わない料理です。
それなのに、魚を釣ってさばいて食べていては元も子もありません。
結論、お盆期間中は、親戚とご先祖様との思い出に浸りながら
慎ましく過ごすのが1番ではないでしょうか。