高校の頃、古典が大好きでした。
テスト勉強をしなくても常に高得点を出すくらい没頭していて、もはや古典マニアと言ってもいいくらい。
テスト前に古典の先生の部屋へ行き「天皇の娘たちが暮らしていた記述のある物語はありますか」と、テストとは関係のない質問をぶつけていた、面倒くさい生徒でした。
そんな私が好きな作品の一つが「つれづれ草」の「神無月の頃」。
兼好法師が徒然に書いたエッセイの1篇です。
この作品で「神無月」の読みを、神秘的で美しいと感じたことを今でも覚えています。
「神無月」、久々に気になってきました。
そこで今回は「神無月」の由来からはじまる「神無月」関連についてしらべてみます。
神無月の意味・由来
「神無月」は、10月の旧暦名ですね。ご存知の通り「かんなづき」と読みます。
なぜ「神」様が「無」い「月」か。それは、全国の神様が出雲に出張(!?)されるからだそうです。
出張の目的は会議。出張の場所は出雲の、出雲大社です。
そしてそこで話し合われるのが、まずご縁についてです。
出雲大社は縁結びの神社として有名ですね。
誰と誰が知り合って結ばれて…という会議が行われるわけですから、縁結びとして有名になるのも頷けます。
他にも、次の年の天気や、農作物などについても、たくさんの神様で「どうするか…」と頭をひねるそうです。
何とも平和ですね。
とはいえ、逆に神様が出払っている地域は、神様不在で大丈夫なのでしょうか?
実は、大丈夫みたいです。
なぜなら、留守番の神様がいるから。
有り難いですね。
地域によっては、この留守番の神様を祭るお祭りが10月に催されているようです。
名前を「恵比須講」と言います。皆さんの地域にもありますか?
神無月以外の旧暦名は?
10月は、全国的には神無月ですが、出雲では「神在月(かみありづき)」といいます。なかなかイキです。
その他にも、10月には別名があります。
神様関連
10月は、神様関連が多いですね。
例えば、神嘗月(かんなめづき)・神な月(かみなづき)・神去月(かみさりづき)などです。
このうち神嘗月は、新嘗祭(宮中祭祀のひとつ)の準備をする月、という意味からきているようです。
冬関連
旧暦10月は、すでに冬。
そのため、初冬(しょとう)・上冬(じょうとう)・孟冬(もうとう)・玄冬(げんとう)などの旧暦名もあります。
ちなみに現在の10月下旬から12月上旬が、旧暦の10月に当たります。
10月の行事
10月は大忙しの月です!
我が家は小学生が二人いるので学校の運動会、秋祭り、町内会の運動会、ご近所連帯のハロウィン…大変です。
ここではせっかくなので、今あげた以外の、わりとマイナーな10月の行事を紹介したいと思います。
・1日 衣替え
マイナーと言いながら、メジャーな日でしょうか。
すいません。
6月1日に夏服へ、10月1日に冬服へ衣替えですね。
学生服は一気に変わるので、秋の訪れを感じることができます。まだ、暑い日もありますけどね。
・10日 銭湯の日
なぜ10月10日が銭湯の日なのでしょう。
それは「1010」で、「千十(せんとお)」だからです!
10月10日が、以前は体育の日だったから、ということもありますね。
体育の日にスポーツを楽しんで、体を動かしてかいた汗を銭湯で流す。
また、銭湯で入浴することが、スポーツを同じように健康に良いとされることから、銭湯とスポーツの深い縁によりこの日が銭湯の日となったという、二通りの意味があります。
・14日 鉄道の日
1872年10月14日に初めて日本の鉄道が開業したことを記念に制定されました。
また1921年10月14日にも初代鉄道博物館が開館するなど、鉄道と深いかかわりのある日のようです。
・24日 国際連合デー
国連は日本が終戦を迎えた直後の、1975年10月24日に発足しました。それを記念して、国連が定めた平和の記念日が10月24日です。願わくは、国連の平和への思想と活動が世界の隅々にまで届きますように。
まとめ
神様が会議でお忙しい、神無月についてでした。
出雲大社の神様たちの会議では来年の天気も話し合われる、ということなので、できれば過ごしやすい、災害の少ない1年を過ごせますようお願いしたいところです。
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