日本には旧暦名があり、12か月にそれぞれ美しい名前がついていますよね。
四季のある日本ならではの、自然に沿った名前が多いようです。
今回は12ある名前の中でも、4月の『卯月』に注目してみようと思います。
関係するのは花や歌や植物や…『卯月』はどうやら、縁のあるものが幅広いようです。
卯月の意味・由来
なぜ、4月を『卯月』(うづき)と呼ぶようになったのでしょう。
実は由来はいろいろとあるようです。
4月に咲く花の名前から
ウツギ(空木)という樹木を知っていますか?
ウツギは昔、畑と畑の境目の目印としてよく植えられていたそうです。
木の高さが2~4mくらいで、境目にするにはちょうど良かったようです。
このウツギは、別名「卯の花」ともいわれます。
童謡にある「卯の花の、匂う垣根に~」は、このウツギの花を指しているようです。
ウツギの花は、4月に咲きます。
小さな白い花がたくさんつくのですが、地域によってはそれがおからに似ているという理由から、おからを卯の花と呼ぶようになったそうです。
『卯月』は一説に、この卯の花が咲く時期が4月であることから『卯の花が咲く月』→『卯月』となったと言われています。
順番だから
十二支、知っていますよね?ネ、ウシ、トラ、ウ…の、あれです。年賀状でよくお世話になりますね。
その干支の4番目に来るのが、ウ=『卯』で、4番目の月だから『卯月』になった、という説があるようです。
簡潔すぎて、個人的には結構好きな説です。
新しく草木が芽吹く月
『卯月』の『う』の音が、もともとは「初(う)」や「産(う)」の漢字を意味していたのではないかという説です。
4月はいろいろな植物が芽吹く時期ですから、「初める」や「産まれる」の意味が込められたのかもしれませんね。
4月は卯月以外にも旧暦名はある?
4月を表す旧暦の名前にも、『卯月』以外に複数あるようです。
他の月の名前同様、やはり時節ならではの由来が多いですね。
・植月(うえづき)
稲を植える月、という意味です。
農耕民族であった日本人は、こうした田んぼや畑にちなんだ名前を様々な場面で用いる事が多かったようです。
・田植苗月(たうなへづき)
植月を詳しくしたような名前ですね。しっかり説明されていて、わかりやすいです。
・麦秋(むぎあき)
稲ではなく麦も4月の名前に使われていますが、この名前で4月を想像できる人はすごいと思います。
麦の刈り取り時期だから、ということだそうです。私は、麦の収穫時期を初めて知りました…
4月の行事
最後に、今も4月に行っている日本ならではの行事を紹介します。
・お花見
桜を愛でる行事ですね。
お花見という言葉を聞いた時、ほかの花ではなく桜を想像する人がほとんどだと思います。
ただ、最近では桜の木の老朽化が問題になっています。
戦後に植えた桜が、元気をなくしているようです。
お花見をする際にはマナーを守り、根の上に座らない、枝を折らないなど、桜の木にも優しくありたいですね。
・入学式・新学期
日本は4月はじまりが基準になっているため、4月から新しい生活を始める人が多いのではないでしょうか?もしかすると1月よりも心新たに迎える月かもしれませんね。私も子育て中なので、4月は毎年ばたばたです。
・8日 花まつり
お釈迦様の誕生日に行われるのが花祭りです。
無宗教の国といわれながらも何となく仏教徒が多い日本。知っておきたい行事ですね。
・29日 昭和の日
昭和天皇のお誕生日だった日。ゴールデンウイークのスタートですね。
それまでは「みどりの日」と呼ばれていましたが、平成17年からこの名前の祝日になりました。
まとめ
4月は植物の芽吹きと新年度、二つの意味で新しいスタートを迎える月です。
美しく咲いた花を楽しむ『卯月』、新しい生活にワクワクする『卯月』、秋の実りのために準備を始める『卯月』。
皆さんも良いスタートを迎えてください。