水仙といえば、身近に咲いている花。
お庭や公園などいろいろなところで見かけます。
また、美しくよい香りのする水仙は切り花としても人気です。
11月~4月まで楽しめるのでお正月の時期に飾るのに重宝されます。
そんな水仙ですが、実は毒を持っているのだとか。
怖いイメージなんてないのに、意外です。
あなたは知っていましたか?
いったいどんな毒があるのでしょう。
身近な花だからこそ、知っておきたいですよね。
水仙のどの場所に毒がある?どんな毒?
水仙はすべての部分に毒を含んでいます。
その中でも特に毒性が強いのが鱗茎。
鱗茎とは、地下茎の一種でいわゆる球根のことです。
水仙には「リコリン」という成分が含まれます。
植物に含まれる有毒成分として知られるアルカロイドの一種です。
主にこれが食中毒症状を引き起こします。
水仙は有毒なのでもちろん、食用ではありません。
それでも食中毒が報告されるのは、ニラに似ている見た目から。
間違って食べてしまう人が少なくないのです。
「自宅の庭で栽培していた水仙をニラと誤って採取した」
「家庭菜園でニラを採取する際、付近に自生していた水仙が混入した」
このような理由での食中毒が毎年、後を絶ちません。
ニラの他には、ノビルやタマネギと間違える場合もあるそうです。
見分けがつけづらいのですが、匂いを嗅ぐことで区別がつくと言われます。
ニラなどはちぎると強い匂いがありますが、水仙にはありません。
でも、もし確実に判断できないのであれば、口にしないのが基本です。
また、食中毒以外には、「シュウ酸カルシウム」という成分によって接触皮膚炎を起こすことがあります。
触る際には気を付けてください。
水仙の毒抜きはできるの?
水仙の毒抜きの情報は残念ながら見つかりませんでした。
毒を抜いてまで食べる習慣はないようです。
水仙の食中毒はニラなど他の食品と間違って食べることで起こるのであって、決して水仙自体を食べようとして起こるではないということですね。
犬や猫が食べないように注意!
私たちは「水仙は食べられないもの」と認識して気を付けられますが、ペットのイヌやネコが口にするケースもあります。
イヌやネコは草を食べることがあるので、散歩に連れていくときや庭で水仙を栽培している場合などは注意が必要です。
水仙の食中毒の症状や治療法は?
水仙を食べたあと、30分程度の短い潜伏期間を経て症状があらわれます。
症状は、嘔吐、下痢、発汗、頭痛、昏睡などです。
初期の段階で嘔吐して収まることが多いため、神経麻痺などの重篤な症状になるケースはまれだとされています。
それでも、厚生労働省によると、平成20~29年の間に報告された水仙の食中毒患者167名のうち1名が亡くなっています。
年齢や体調などによっては、重篤にならないとは言い切れませんね。
ですから、早急に医療機関を受診することをおすすめします。
その際に、食べた(水仙らしき)ものが残っていれば、持参して治療の参考にしてもらうとよいです。
症状が軽い場合でも、嘔吐・下痢があるので脱水症状にならないために水分補給には十分注意しましょう。
ペットの場合も、基本的にヒトと同様の症状があらわれると言われています。
もし食べてしまったら、吐き出させて、獣医師に相談してください。
最後に
そういえば、家庭菜園でとれたニラをいただくとき、ニラ以外の草が入っていることがあるのを思い出しました。
見た目が違うので、水仙ではなかったのですが、近くに生えている草は収穫するときに混ざりやすいのでしょうね。
近くに水仙が自生していたら、誤って混入してしまうのも分かる気がします。
知らなかったら、私も気にせず採ってしまうと思います。
水仙が有毒だという知識があるだけでも、注意することで危険を回避できます。
身近なものについて知っておくということは、とても大事ですね。